「大手人材紹介会社のシェアダウンと中小紹介会社の奮闘」
リクルートキャリア、インテリジェンス、JACリクルートメント
この大手3社の決定人数シェアが大幅に落ちています。
少なくとも2007年度と2012年度の実績を比較してみましょう。
(大手3社合計決定人数)
・2007年度:48837人
・2012年度:33717人 (15120人減、31%ダウン)
(人材紹介会社合計)
・2007年度:377647人
・2011年度:397202人 (19555人増、5.2%アップ)
人材紹介業界全体の決定人数は伸びたのに
大手3社合計実績は31%もダウンしました。
大手3社はいずれも高単価シフト戦略を取り
「低年収層だけに強い」 というイメージからの脱皮を図っています。
ただ、その戦略が明確に成果となって現れているのは
現時点ではJACリクルートメントだけです。
2009年には130万円程度まで落ちていた平均単価が
現在は180万円程度まで上がってきています。
決定人数が増えなくても高単価シフトによって売上と利益が増えれば
それはそれで有りの戦略だと思います。
従って、高単価シフトしきれていない上位2社
リクルートキャリアとインテリジェンスが今期2013年度に
決定人数がどれぐらい戻るのかに関心があります。
一方で決定人数を大幅に伸ばしている中小人材紹介会社や
特化型人材紹介会社があります。
特にここ数年は、医療系やIT・Web・ゲーム系に特化したエージェントが
大きく躍進しました。
その代表格としては、看護師紹介最大手のエス・エム・エスがあります。
売上の伸びを見てみましょう。
・2007年度: 15億4500万円
・2012年度:101億8100万円 (約6.6倍)
エス・エム・エスの2012年度の決定人数は
推移人数ですが1万人程度と思われます。
大手3社合計が15000人減ったのに対して
エス・エム・エス1社で1万人リカバリーしています。
他にも看護師紹介では、リクルートドクターズキャリア、マイナビ、ディップ、クイックなど
数千人の決定者を出している会社があります。
これら人材紹介会社の実績を足し合わせると
人材紹介業界全体の伸びた分、約2万人に到達しそうです。
さらに、IT・Web・ゲーム系に強い
ワークポート、キャリアデザインセンターなどの決定人数や
外資系や外国人が経営する外資系に強い人材紹介会社
エンワールド・ジャパン、ロバートウォルターズ、マイケルペイジ、ヘイズ、CDSなどの
実績も加えると楽々2万人増に届きそうです。
結論としては、市場全体の規模がそれほど大きくならなくても
やりようによっては幾らでも大手の隙間を狙って稼げます。
それだけでも十分業績を伸ばす余地があるという事です。
100億円企業を作るのは大変でも
10億円企業は今からでも作れる可能性があります。
市場を広く見渡して
ここだと思ったら突っ込みましょう。
まだまだ勝負はこれからです。
「名もない草も実をつける
いのちいっぱいの
花を咲かせて」 みつを
合掌。