「ビッグデータの活用で成約数7割増?」
全くバカげた記事を読んで笑ってしまいました。
ビッグデータの活用で成約数7割増なんてあり得ない事を
本気で言っているのでしょうか?
好くなとも、人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)の実務経験者であれば
全くバカげた絵空事だと笑うでしょう。
バカもここまで来ればギャグですね。
万一、この通り成約数7割増の結果が出たら
人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)の存在意義が失われますから
私は人間を辞めますよ。
・下記の記事は、株式会社ビジネスコーチの小出代表からお送りしていただいている
人材ビジネスに関するニュースクリップからの抜粋です。
2013/09/17
■人材業界ニュース
リクルートキャリアやエン・ジャパン、転職支援にビッグデータ。
2013/09/17 日本経済新聞 朝刊 9ページ
「人材サービス会社が転職支援にビッグデータの活用を始めている。過去に転職した何万人分もの履歴を生かし、転職に成功しやすい技能や職歴などを類型化。より企業の希望に適した人材を紹介できるようにする。転職希望者が実際に転職に成功するのは業界全体で1割程度。これまでは窓口となる営業担当者の経験に頼ってきたが、ビッグデータの活用でマッチング精度を高める。成約率の向上が期待できそうだ。
国内の転職市場は、民間の手数料収入の合計で年間2000億円超。リーマン・ショック後の2009年に落ち込んだが、景況感の回復もあり、拡大傾向にある。厚生労働省によると2011年度の転職件数は前年度比2・5%増の44万件(契約社員など非正規社員も含む)だが、成約率の低さが業界全体の課題になっている。
リクルートキャリア(東京・千代田)は転職紹介事業「リクルートエージェント」でビッグデータの活用を始めた。求人側の要望に合った人材を見つけるため、過去1年間に同社の転職サービスを利用した数万人分の履歴を活用する。
職歴や住所、技能といった人材データを蓄積、類型化し、求人を出した企業に似た企業や、業界、職種で転職に成功した人の履歴を検索すれば、企業の要望にあった人材を見つけられるようにする。企業が求める条件とその優先順位も類推し、活用する。
これまでは、転職を仲介する営業担当者が過去の経験から適切な人材を探し出していたが、ビッグデータの利用で、マッチングの精度を引き上げられるという。
まず、システムエンジニア(SE)と人事担当の求人に絞って活用を始めた。今後、対象となる職種の拡充を急ぐ。リクルートエージェントが手掛ける転職は年間で2万件を超えるが、ビッグデータを活用した職種では成約数を7割程度増やせると同社ではみている。
転職サイトを運営するエン・ジャパンは、ビッグデータを活用し、求人内容が求職者の希望とどの程度合致しているかを示す指標を取り入れた。
「マッチ度」と呼ぶ指標で、同社の転職サービスを利用する300万人分のデータから、求職者の属性に近い人がどのような企業に関心を示しやすいかを統計化。これらの統計と、基本情報、性格判断を組み合わせて、個人別に0~100%の指標を作る。
2社以外の人材サービス会社でもビッグデータの利用は広がっている。人材会社などにビッグデータの分析システムを提供するシルバーエッグ・テクノロジー(大阪府吹田市)によると、同社の分析システムを使う転職支援サイトは昨年の1サイトから現在は10サイトに急増したという。運用コストの低下が背景にあり、同社のシステムの場合、月額50万円程度から利用できる。」
・ビッグデータの活用によってマッチング機会の損失を減らす。
・人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)の経験値の
違いを埋める。
・リクルートキャリアの中にはキャリアアドバイザー不要論があり
できればキャリアアドバイザーの仕事をコンピューターに
やらせて人件費を削減したいと思っている人もいる。
こんな話は10年、20年前から議論されてきました。
私も15年前の若造部長時代、
人口知能を活用したマッチングシステムに1億円以上投資し
メンバーの手間だけ増やして結局ぽしゃらせてしまいました。
今ならあんな事はしなかったと思います。
「ビッグデータの活用で成約数が7割も増加する」ということは、
言い換えると今は7割も機会損失しているということですが、
実感値として、この数字に納得する
人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)はいないでしょう。
いたとすれば、「自分はバカです」と言っているようなものです。
人間はそんなバカじゃないですよ。
むしろ、コンピューターにはできないマッチングができます。
過剰にコンピューターに頼るのは危険です。
「点数
にんげんはねえ
人から点数を
つけられるために
この世に生まれて
きたのではないんだよ
にんげんがさき
点数は後」 みつを
合掌。