「テンプスタッフとインテリジェンス」
何も言わないでおこうと思いましたが、それも不自然だと思いますので、
今回のM&Aに関して書きます。
結論から申しますと、
派遣業界で最もまともな会社と言われるテンプスタッフが
インテリジェンスの株を買い取ることになって良かったと思っています。
両社とも大変お世話になっている会社ですので、
今回の合併が良い結果につながる事をお祈り致します。
両社とも元々創業オーナー一代で築き上げたベンチャー企業の雄です。
凄いパワーですよね。
世代は違えどその辺の親和性はあると思います。
テンプスタッフは東証一部上場企業ですが、インテリジェンスも以前は上場していましたし
透明度の高いIRと意思決定の速さで評価されていました。
「うん、これで死角はない」 と思いますが少し心配な点もあります。
端的に言うと業界の違いです。
テンプスタッフが、インテリジェンスのキャリア・ディビジョン(人材紹介事業)に対して
どこまで理解してマネジメントできるかという点です。
この事業が欲しくて買ったわけですから、変な口出しをするわけはないのですが、
親会社としては何か言いたくなるのが人情です。
当面はインテリジェンス側の役員交代も無いようですが、
それは現時点の話であって、将来はどうなるかわかりません。
人事権はテンプスタッフ側が持っているわけですから。
テンプスタッフの役員は、よくわからない事業に干渉しすぎないようにしていただきたいです。
インテリジェンスは事務派遣も特定派遣も人材紹介も転職サイトも全部やっている
企業であり、人材ビジネスのナレッジの幅はテンプスタッフより広いです。
ナレッジの集積度ではリクルートより上です。
また、個々の社員の能力や意識レベルも高いです。
OB・OGでも独立して成功している人がたくさんいます。
テンプスタッフの社員も大変優秀な人が多いですが、
人材派遣業という事業柄、生真面目で信頼できる人が多いと思います。
ただ、何かをブレークスルーするタイプの人は少ないように感じます。
テンプスタッフがインテリジェンスをどのようにマネージするのか?
関心はその一点にあります。
それ次第で投資した700億が1000億になるのか2000億になるのか? 決まります。
個人的には、インテリジェンスをできるだけ放っておいた方がいいと思います。
最後に、テンプスタッフにも人材紹介事業部門があります。
この部門で働いている人の事が大変気になります。
ここも当面いじらない方がいいと思いますが、将来うまく融合できればいいなと思います。
焦っていじれば人が辞めるだけですので、そのような事態は双方一番避けたいでしょう。
多くの社員が流出するとサービス業のM&Aは意味がないですからね。
人が残ってこそのM&Aです。
「セトモノとセトモノと
ぶつかりっこするとすぐこわれちゃう
どっちかやわらかければだいじょうぶ
やわらかいこころを持ちましょう」 みつを
合掌。