「業務改善プロジェクト、ただのガス抜きならやめましょう」
色々な人材紹介会社で、業務改善プロジェクトとか組織改革プロジェクトとか、
もっと良い会社にしようという取り組みが行われています。
このような活動には、問題意識の高い現場の人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)も
動員されています。
日常のコンサルタント業務に加えて、プロジェクトに参加するのは大変です。
かなりの負荷がかかります。
コンサルタントとしての業績を落とさずに、
現状課題を整理して諸問題の改革・改善案を検討し、これをまとめて経営者に
提言しなければなりません。
実に大変な仕事です。
愛社精神がないと、なかなか続けられません。
「この提案が通れば、もう少しいい会社になるだろう」 と思って期待感もふくらみます。
さあ、ついに提案がまとまりました。
いよいよ役員会での提案の日です。
プロジェクトメンバー全員で気合いを入れて熱いプレゼンをします。
しかし、その役員会では 「やる、やらない」 という結論は出ません。
「まあ今日は1回目だし、君たちがどんな問題意識を持ってるかはわかった。
しばらくこちらであずかります。
どうもお疲れ様。」
こんな感じで終わるケースが多いです。
メンバー:「あれ?
来期は全面的に業務改善に取り組んで、もっといい会社にするからよろしくね
と言われたあの日の言葉は何だったんだろう?」
そこでプロジェクトメンバー全員で意を決して社長に直談判に行きます。
メンバー:「社長、我々の提案に対する率直なご意見を聞かせてください」
社長:「だから、君たちの問題意識はわかったよ。」
メンバー:「我々の問題意識は社長の問題意識に近いですか? 遠いですか?」
社長:「うん、近い部分もあるし、ちょっと遠い部分もある。」
メンバー:「どこが近くて、どこが遠いですか?」
社長:「今、そこまで話さないといけないの?
しばらくあずからせてと言ったでしょう?」
メンバー:「しばらくと言われても、もうすぐ来期が始まりますから、
実行するなら早く動かないと間に合いません。」
社長:「急に言われても、そんな簡単に決められません。
とにかく、しばらくあずかります!!」
メンバー:「なんだそれは!!
結局本気で変える気がないな。
あれだけ膨大な時間を費やしたのに何だったんだ?」
このような事になり、ほとんど何も変わることなく、来期に突入してしまいます。
それどころか、プロジェクトメンバーは社長に不信感を抱いてしまいます。
やる気を失くして退職者まで出てしまう事もあります。
結果として、会社にも社員にもメリットのない結果となってしまいました。
このような事にならないように 「業務改善プロジェクト、ただのガス抜きならやめましょう」 です。
やるなら経営者の余程の腹のくくりが必要です。
「トマトがトマトであるかぎり それはほんもの
トマトをメロンに見せようとするから にせものとなる」 みつを
合掌。