「人生やり直したい!!(その2)」
30代半ば、人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)未経験のAさんの話の続きです。
Aさん:「そうですよね。
人材側だけの事情を考えて応募しても駄目ですね?」
私:「駄目などころか、それじゃ学生以下ですよ。
今時の学生の方が余程業界研究や企業研究をしていますよ。」
Aさん:「そうですか?」
私:「ええ、本当に思っているかどうかは別として、一人前の事を話しますよ。
優秀な人材を成長企業に紹介して企業の発展に寄与し、
日本経済を元気にしたいとか。」
Aさん:「なんかちょっと大袈裟ですね。」
私:「ええ、時々笑ってしまいますけど、言ってる事の意味はわかりますよね?」
Aさん:「はい。わかります。」
私:「今後は求人企業側の事も念頭に置いて面接に臨んでください。」
Aさん:「ところで、どこかお薦めの人材紹介会社はありませんか?」
私:「はい、経験より人物重視で採用してくれる会社ですよね。
可能性はゼロじゃないです。
X社と言う会社がありますので、検索してみてください。
そちらに直接応募されれば、面接してくれるかもしれません。」
Aさん:「本当ですか?」
私:「はい、可能性はあります。
面接していただければ、あとはAさんの人間性と情熱で勝負できますよね?
X社は、そういうものを評価していただける会社だと思います。」
Aさん:「わかりました。
X社に応募してみます!!
結果はまたご連絡します。」
私:「はい、面接ではくれぐれも自分を良く見せようとしないように。
そんな事しても通じませんから。
開き直って本音でぶつかってください。」
Aさん:「わかりました。
ありがとうございます。」
こんな展開で、AさんはX社に直接応募され、見事面接に進むことになりました。
しかし、その面接で緊張してしまい普段の人間性豊かな自分を伝えられなかったそうです。
下記、面接後のAさんからメールの抜粋です。
「武谷様
X社様の面接に行って参りました
結論から言うと、●●様にボコボコにされました。
「人生やり直したい」
と直で言って良かったんですね…
「人材紹介の勉強して、やる気があるのは分かるけど、実際どうしたいの?」
と詰められ、
「人生やり直したい」と伝えた所
「そういうのを聞きたかったんだよ!!」
と言われてしまいました。
また、大変申し訳ございません。
志望動機を聞かれた際のきっかけとして武谷様のお名前を出してしまいました。
大事な事をきちんと伝えず、余計な事を口走ってしまいました。
大変申し訳ございません。
恩を仇で返す事となってしまった事を深くお詫び申し上げます。」
Aさん、恩を仇で返すなんて、全然そんな事ないですよ。
面接の場で、 「人生やり直したい」 って言えるなんて素晴らしいと思います。
面接官も、「そういうのを聞きたかったんだよ!!」
とおっしゃったわけですから、希望は捨てないでください。
Aさんのように 「人生やり直したい」 と思っていても、
実際にそう言える人はほとんどいません。
結果はどうなろうと、Aさんの勇気を尊敬します。
私も、いや多くの人が 「人生やり直したい」人間の一人です。
「途中にいるから中ぶらりん
底まで落ちて地に足が着けば
ほんとうに落ち着く」 みつを
合掌。