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「この仕事にゴールはない」

2013-2-28
カテゴリー：キャリアコンサルタントの基本姿勢

「この仕事にゴールはない」

先日の面接同席での、クライアントの面接官Ａ部長の言葉です。

キャンディデートのＢさんが質問しました。

Ｂさん：「私は全くの素人なんですが、人材紹介コンサルタント（キャリアコンサルタント）を

　　　　　やっていく上で身につけるべき事は何でしょうか？」

Ａ部長：「逆に何だと思いますか？」

Ｂさん：「傾聴力と専門知識だと思います。

　　　　　私には専門知識が欠けていると思います。」

Ａ部長：「それってＢさんは一人で解決しようと思ってませんか？」

Ｂさん：「は？」

Ａ部長：「もちろん、転職を希望される方と個室の中で一対一で会いますよ。

　　　　　でもね、少々お待ちいただけますか？って言って他のコンサルタント仲間に

　　　　　相談するんですよ。」

Ｂさん：「え、そうなんですか？」

Ａ部長：「だってその人にベスト・ベターな提案をしたいのに自分だけで考えるのは

　　　　　限界がありますよね？」

Ｂさん：「あ、はい。」

Ａ部長：「だったら、仲間に相談すればいじゃないですか？

　　　　　もちろん、私に相談してくれてもいいですよ。」

Ｂさん：「そうですか？　いいんですね？」

Ａ部長：「当り前ですよ。

　　　　　何のために仲間がいるんですか？

　　　　　私だって相談されても、本当に良いアドバイスができるかわからないです。

　　　　　長くやっていても所詮そんなものです。

　　　　　この仕事にゴールはないんです！！」

Ｂさん：「Ａ部長でもそうなんですか？」

Ａ部長：「そうですよ。

　　　　　企業も人材も千差万別です。

　　　　　すべてわかった気になってマッチングしても、うまく行かない事もあります。」

Ｂさん：「そうなんですか？」

Ａ部長：「それぞれの歴史・沿革・社風・生い立ち・性格があります。

　　　　　それをすべてわかってるなんて言えません。」

Ｂさん：「確かにそこまで把握するのは難しいでしょうね。」

Ａ部長：「ですから、この仕事のゴールに到達したという人がいたら会ってみたいですね。

　　　　　多分勘違いしている人です。」

Ｂさん：「なるほど・・・。」

Ａ部長：「ゴールがないから長く続けられるんだと思います。」

Ｂさん：「なるほど・・・。」

Ａ部長：「ゴールがないから仲間が必要なんです。

　　　　　だから、Ｂさんは自分ですべてやろうとしない方がいいですよ。」

Ｂさん：「はい。そういうバックアップがあると力強いです。」

Ａ部長：「組織の長である私がまだゴールしてないんです。

　　　　　多分生涯ゴールできないと思います。

　　　　　向上心は絶対に必要ですが、自分だけで抱え込まない方がいいですよ。」

Ｂさん：「はい。不安な気持ちが少なくなりました。」

Ａ部長：「仲間と一緒に仕事をした方が、Ｂさんの成長も早くなります。」

Ａ部長、こんな意味で良かったですかね？

私はすごく共感しました。

違うと思ったら遠慮なく言ってください。

いつも良い面接をしていただき、誠にありがとうございます。

私も同じ　「未能一」　です。

「いちずに一本道　いちずに一ツ事」　　　　みつを

合掌。

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武谷広人: 人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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