「厳しすぎる研修は体罰に似ている」
マネージャーになって半年経過すると360度研修でボコボコにされました。
下記の4つに分類された各10項目、合計40項目で5段階採点されます。
・要望性⇒メンバーの成長を促すために具体的な要望をする。
・共感性⇒上から目線ではなくメンバー視点で仕事の喜びや悩みを共有する。
・通意性⇒メンバーに上位方針を、上司にメンバーの意見を、わかりやすく伝える。
・信頼性⇒営業方針や日常の言動など管理職としての信頼度。
自己採点と部下採点や上司採点とのギャップから自己分析し、
他のマネージャーとのディスカッションによって自分の強みと課題をあぶり出します。
そして、ありたいマネージャー像と今後の開発・改善目標、日々の行動計画を決めます。
2泊3日の研修でヘトヘトになり、翌週は職場の上司や部下を集め研修の報告をします。
自己分析結果(強みと課題)や今後の開発・改善目標と日々の行動計画を発表します。
それですんなり終わるケースは少なく、上司や部下からここぞとばかりに痛烈な言葉が
飛んできます。
部下A:「自己分析が間違っていると思います。
私は貴方に対する共感性は低くないですが
信頼性はそれほど高くないです。」
部下B:「私も近いかな。
普段は身近で話しやすい感じはしますが
ちょっと何を考えているのかわからない所があります。」
上司:「うん、俺もそう思うんだよな。」
マネージャー:「そうですか?
という事は、見せかけの共感性は高いけれど信頼性は低いという事ですか?」
上司:「うん、そうかもな。
それはなぜだと思う?」
マネージャー:「いやー、サーベイに忠実に分析したのに今更違うと言われても・・・・・。」
部下A:「サーベイ以外にもメンバーからのメッセージなど
もっと深い自己分析をする材料があったはずです。」
部下C:「それに象徴されているように、深さがないと言うか浅いというか、
表面的なコミュニケーションは取っていても信頼性が低いということは
そういう事ではないでしょうか?」
こんな事を四方八方から言われて、泣き出してしまうマネージャーもいました。
これは研修なのか? 言葉の暴力・イジメなのか?
研修を生産的な方向に導くのがトレーナーの役割なのですが、
職場でのフィードバックではトレーナーも不在(本来は上司の役割)で
全員から攻撃されて炎上することも多かったです。
*補足:20年ぐらい前からもっと長所を認めるスタイルの研修に変わっています。
これってショック療法と言うのでしょうか?
今思うと体罰に近い部分もあったかもしれないと思うのです。
相手の心を思いっきりぶん殴る事によって一気に感化しまおうという感じです。
人間性を否定されると心が麻痺します。
360度評価でボコボコにしたりされたりする事に慣れてしまうと、
それが当り前になって、他の社員にも痛烈な言葉を浴びせる事ができるようになります。
今思い出すと、とても言えないような言葉を日常的に吐いていたと思うのです。
それでも当時は通じる社員が多かったと思いますが、中には通じない人もいました。
通じない人はだいたい辞めていきました。
時代背景や社風、社員の特性によっても大きく異なるでしょうから、
研修がイジメにならないように注意して臨機応変に実施する必要があると思います。
私の場合は厳しく指摘していただいた分、その後のフォローも十分していただいたので
経験して良かったと思いますが、フォローが無かったら心の傷だけが残ったと思います。
今はもっと個性を尊重する研修になっているので心配しませんが、
それはそれで昔より深く突っ込めない部分が物足りないような気もします。
研修って難しいですね。
「なやみはつきないな 生きているんだもの」 みつを
合掌。