「ヒントを与え考えさせろ。体罰は悪か?」
最近 「体罰狩り」 のように連日体罰を告発する報道がされています。
私も数えきれないほど体罰を受けて来ました。
鉄パイプで殴られたり、意味のわからない事で坊主にさせられたり、
AKBじゃあるまいし。
学んだとすれば、大人はその時の気分で怒るので、
そんな不条理な事も我慢して耐えれば楽しい事もあるさ、って事ぐらいですかね。
でも、本当に 「体罰」 は悪い事なのでしょうか?
悪いとすれば、どこが悪いのでしょうか?
監督:「こら!!
お前は何やってるんだ!!
何度同じ事を言わせればいいんだ!!
このバカヤロー!!」
これを言われ殴られた選手は、このように思う人が多いでしょう。
選手:「また怒られた。
あー、これでまたレギュラーの座が遠のくな。
俺って駄目だな。」
これでは自信を喪失させ、やる気をそぎますね。
監督は選手ができない事に腹を立てて怒っているだけに思えます。
大前提として、礼儀(マナー)やルール、チームワークなど
必要な事はしっかり教えなければいけないし、
それを守れない選手に対しては厳しく注意するべきだと思います。
ただ、そのような次元は卒業して、全国レベルや世界レベルで戦う選手に対して、
「バカヤロー!! 何度同じ事を言わせればいいんだ!!」
では何も指導している事になりません。
選手自身がもっとうまくなってレギュラーや代表になりたいと思っているわけですから、
どうすれば(How)もっと上手になれるのか知りたいでしょう。
その「どうすれば(How)」を教えられないと指導者として一流じゃないと思うのです。
監督:「こうしろって言っただろう!!」
どうしてできないんだ!!」
「こうしろ」という答は言っているのですが、どうすれば(How)できるかがわからないから
選手はもがいています。
そして怒られるから委縮して益々できなくなるのです。
プロ野球の野村監督がTVに出演して言っていました。
野村監督:「選手に答を教えては駄目だ。
選手にはヒントを与えて自分で考えさせないと成長しない。
体罰によって一流選手は育たない。」
司会者:「でも、どうすればいいのか答を聞かれた場合は?」
野村監督:「一晩考えろと言って考えさせます。
野球は考えるスポーツです。
一球投げたらプレイが止まり、また一球投げたらプレイが止まります。
こんなに休んでいる時間が長いスポーツは無い。
その分、次の一球で何が起こるかを考え予測して、あらゆる事態に備える。
考えるために与えられている時間なんです。
野球は考えるスポーツだとわからないでやっても駄目なんです。」
それから、 「選手に自信を持たせることが大事だ」 とも言っています。
「自分は最下層からTOPまで経験したので、色々なレベルの選手の気持ちがわかる」
「人を生かす、育てる、使う、って言う全て『信』が基になっている。
『信頼』 『信用』 『自信』
『信』 なくして何事も始まらない」 とも言っています。
野村監督は説明が大変わかりやすいです。
「誰でもわかるように本質的な事を語れる」
これが指導者としての最も重要な能力かもしれません。
「名もない草も実をつける いのちいっぱいの花を咲かせて」 みつを
合掌。