「医療系人材紹介の競争過熱」
医療人材の紹介・派遣―競合激しく弱含み続く(サービス価格情報)他。
2012/12/18 日経産業新聞 17ページ
「看護師や医療事務などの医療系人材を紹介・派遣するサービス料金は弱含みが続
いている。サービスを提供する人材会社の数が多く、競合が激しいためだ。求人
は常に活発だが、病院側のコスト削減意識も強く、逆に値下げを求められるケー
スも増えている。
看護師の転職仲介サービスは紹介が基本。看護師は産休の代替要員など特例
を除き派遣が認められていないためだ。かつて看護師の再就職は人づての紹介が
主だったが、現在は「3割程度が紹介会社を使う」(看護師紹介大手のエス・
エム・エス)という。全国に約140万人いる看護師のうち、毎年10%前後が
退・ 転職しているとみられる。
病院側の需要は旺盛だ。2006年の診療報酬改定でベッド7台あたり1人の
看護師を配置する病院の診療報酬が引き上げられ、看護師増員を目指す病院が増
えた。10月の看護師の有効求人倍率は3・13倍で売り手市場ぶりが際立つ。
病院側は託児所の充実など人材確保につながる待遇改善には力を入れても、
紹介手数料の引き上げにはなかなか応じない。人材会社間の過当競争が常態化し
ているためだ。リーマン危機後、一般事務職の派遣需要が急減すると、大手派
遣会社は相次ぎ看護師紹介事業に参入した。インターネットを使った募集がしや
すくな り、参入する人材企業も増えた。
職業の紹介手数料は紹介者の年収の30~35%程度が一般的だが、看護師の
手数料は15~20%程度。九州など には5~10%程度のところもある。手
数料は病院が紹介会社に支払うが、手数料の安さを強調して転職希望者を集めよ
うとする人材会社も目立つ。ディップは 11月に看護師の転職支援窓口を全国
5カ所に開設し、サービスに力を入れている。
全国に約18万カ所ある病院や診療所、歯科診療所は経営環境が厳しいところ
も多く、紹介や派遣のサービス料金の引き下げを要求するケースも増えている。
数カ月から1年ごとの分割支払いや、派遣社員が一定期間内に辞めた場合に
返金を求める動きなどもある。大規模病院では入札も増えている。(増渕稔)」
上記のように、看護師紹介市場は一気に過熱しましたね。
エス・エム・エスをはじめ、リクルートドクターズキャリア、ディップ、
マイナビ、クイックなど多くの会社がしのぎを削っています。
それにしても、看護師140万人中10%が・退職転職するとしたら、
転職する看護師が少なくとも年間10万人。
まだ3割しか人材紹介会社を使ってないとすれば、残りの市場は
7万人あるということですね。
平均FEEが60万円とすると市場規模は600億円。
業界トップのエス・エム・エスの看護師紹介売上が約60億円。
まだ市場規模の10%程度のシェアです。
転職時に人材紹介会社を利用する看護師がもっと増えれば、
まだまだ市場は膨らむ可能性があります。
問題は医療機関側が紹介手数料を払える体力があるかどうかですね。
そこまでの体力がない医療機関が多いでしょう。
それにしても、エス・エム・エスは凄いですね。
売上約60億円で平均FEE60万円だとすれば、
年間1万人成約していることになります。
それを約200人のコンサルタントでやっているとIR資料に
書いてあります。
一人のコンサルタントが50人成約しています。
月平均4.17人成約。
看護師市場ではこれぐらいは当然の数字なんですね。
知人のコンサルタントは月10人以上成約していると聞きました。
とにかく大変な競争市場であることは間違いないようです。
資金力・人材・マネジメント・システムなど総合力のある会社が
最後は勝つのでしょう。
勝敗が明確になる過程でM&Aが活発になりそうですね。
実際、働いているコンサルタントは大変です。
皆さん、体に気をつけて頑張ってください。
「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる
うばい合えば憎しみ わけ合えば安らぎ」 みつを
合掌。