「医者のケガを心配する」
昨日、初めて病院を2軒はしごしました。
1軒目は外科、2軒目は耳鼻科です。
最近1か月ほど 「ひざ関節」 と 「のど」 の痛みに悩まされています。
こんなに長引くのは初めてです。
病院嫌いの私も 「このままでは年が越せない」 と病院に行きました。
結局、両方とも大したことはなかったのですが、
1軒目の外科のお医者さんがとてもおもしろかったので、その事を書きます。
まず、ビルの2Fの受付に入ると誰も患者がいませんでした。
私:「うーん、これはやばい病院かな?」
受付のおばちゃん:「はーい、なんですか?」
私:「はじめてなんですが。」
受付のおばちゃん:「保険証出してください。」
私:「活気はないし何やら暗くて薄汚いし、こりゃ選択ミスかな?」
そう思って待っていると、二人の患者さんが入ってきました。
一人は常連らしきおやじさん、もう一人は私と同じ初診のOLさんでした。
私も少しだけ安心しました。
受付のおばちゃん:「武谷(たけや)さん、どうぞ。」
私:「はい!!
先生は奥にいるのかな? やっぱりいた。
すごいおじいさんだ!!」
先生:「はい、どうしましたか? 座って座って。荷物はそこのカゴに。」
私:「人柄は良さそうだな。
こんにちは!! 宜しくお願い致します!!」
先生:「どうしたの?」
私:「はい、右ひざが痛くて困っています。
歩いたり走ったりできますが、寝た体勢から起き上がる時や
逆に起きた体勢から寝る時、
特に深く曲げると痛みます。」
先生:「なんだって?」
私:「いや、だから先生、あのですね・・・・・。
補聴器を付けている。
耳が遠いんだな。」
先生:「なんだって?」
私:「いや、だから先生、あのですね・・・・・。」
先生:「そうか、ちょっとズボンをまくりあげて。
うーん、水は溜まってないね。
とりあえずレントゲン撮ろうか?」
私:「はい、宜しくお願い致します。」
先生:「じゃあ、上の階に上がるからね。」
私:「レントゲンは上の階にあるのか?
あー、先生、足を引きずってる!!
先生、大丈夫ですか?」
先生:「ありがとう。
今日、自宅で捻挫したんだよ。」
私:「先生、大丈夫ですか!!」
先生:「うん、さっき薬を飲んだから大丈夫。
動かなければ痛くないよ。」
私:「先生、私ごときのために動いていただかなくても?」
先生:「うん、大丈夫、大丈夫。
今日も息子か家内に車で迎えに来てもらうから。」
私:「えー!! 私より先生の方が重傷じゃないですか?」
先生:「うん、大丈夫。
とにかくその上に座ってくれる?」
私:「先生、何ですか? この古いレントゲンマシーンは!!」
というような流れで、こんなの見たことがないような古いレントゲンマシーンで
右ひざを2枚撮っていただきました。
先生:「君、すごい立派な骨だね。
こんなの久しぶりに見たよ。
最近はこんな立派な骨を持っている人は少ないよ。
何かスポーツやってたの?」
私:「くわがた獲り毎日3回、陸上、サッカー、秋田犬の散歩、ぐらいです。」
先生:「今度来たら写真を見せてあげるけど立派な骨だよ。
全然問題ないよ。
筋を痛めているだけだから、ちょっと薬を出しておくよ。」
私:「本当ですか?
だって、軟骨と軟骨がこすれている感じなんですよ。」
先生:「なんだって?」
私:「いやだから、骨と骨がこすれている感じなんです!!」
先生:「そりゃ50歳にもなれば色々あるよ。」
私:「えー!! 先生・・・。」
こんな感じで笑ってしまいました。
OLさんが不安そうな顔で診察室に入っていきました。
通勤途中、自転車でこけて、太ももを打撲したとの事です。
会話が全て丸聞こえなのです。
でも、私は何やら平和な気持ちになり、
「この先生に身をゆだねよう!!」
と思った次第です。
ではこの続きは明日。
「途中にいるから中ぶらりん
底まで落ちて地に足が着けば
ほんとうに落ち着く」 みつを
合掌。