「反骨の男、タイへ行く」
大手人材紹介会社で役員をやっている友人が、タイ法人の立ち上げ社長として旅立つ。
この男は昔から他人の言う事は聞かない。
特に上司には必ずと言っていいほど逆らう。
もちろん、本人なりの理はあるのだが、上司の感情をわざと逆撫でしているのかと思うほど
逆らうのだ。
これを反骨心と肯定する人もいるだろう。
無謀なバカだと思う人もいるかもしれない。
ながいものにはまかれないタイプなのだ。
その反骨心がこの男の原動力である。
今回の人事異動も上司との確執が一因であることは容易に想像できる。
上司もこの男が煙たくて煙たくて、ついに我慢できずに飛ばしたに違いない。
最後はこうなるとわかっていながら、それでも逆らう馬鹿者なのだ。
そういう点がこの男のおもしろいところだ。
この男から反骨心をとったら、魅力が無くなってしまう。
このような馬鹿者なので新拠点の立ち上げなど新しい事をやらせると
人並み外れたパワーを発揮する。
きっとタイ法人の立ち上げも成功させるだろう。
過去もサイパンで事業を軌道に乗せた経験がある。
人事発令後、一瞬頭がからっぽになったようだが、すぐに立ち直り積極的に
タイ市場のリサーチを始めていた。
既に心はタイ人になっている。
見た目も常時日焼けしてタイ人に似ている。
最近珍しいストイックで正直な男であることは間違いない。
「武谷(たけや)さん、俺も日本にどっぷりつかって感性が鈍ってましたよ。
その意味で今回は良い人事異動だと思ってやり直しますわ。」
と前向きに言っていた。
私もかげながら、この珍しい馬鹿者の成功を祈りたい。
必ず成功して将来はタイの首相になれ。
日本に帰ってきても良いことはないだろうから、タイに骨を埋めるつもりで行ってほしい。
「いまから ここから」 みつを
合掌。