「最悪の上司」
昨日は久しぶりにディープな飲み会だった。
完全に二日酔いだ。
楽しかったが、自分が管理職時代の苦い経験を思い出す機会になった。
「なんて恐ろしい事を平気でしていたんだろう?」 と思った。
Aさん、Bさん、Cさんと言う後輩がいた。
会社は私が別の部に異動するのを良い機会として、首都圏1部(IT&EMC)という
最大部隊のマネージャー刷新を図った。
16年間で20回人事異動した私が3年という一番長期間いた部だった。
全社の売上の40%を稼いでいた。
部長が交代する際には、後任の部長がやりやすい課長に人事を刷新する。
この時も多くの課長が私のせいであっちこっちに飛ばされた。
私はこの13年前の出来事をすっかり忘れていた。
と言うか、自分の記憶から消し去っていた。
理由は、それ以前から退職することを決めていたからだ。
しかし、そんな事は部下にとってはどうでもいい話だ。
自分の将来がどうなるか? それが大切だ。
そして昨日、Aさん、Bさんに言われた。
Bさん:「武谷(たけや)さんに突然呼ばれて、
Cさんと一緒にリクルートキャリアコンサルティングに異動だと言われたんですよ。」
私:「えー!! そうだった?」
Bさん:「ひどいな。覚えてないんですか?
あの時はショックでしたよ。
RCCも今みたいな立派な会社じゃなかったし。」
私:「それは申し訳ないなー。
でもそんな事あったっけ?」
Bさん:「お願いしますよ。
Cさんもショック受けてましたよ。
二人で寂しく別会社に異動したんですから。」
Aさん:「僕も名古屋に異動だって、武谷(たけや)さんに言われたんですよ。」
私:「えー!! 本当ですか?」
Aさん:「本当も何も実際にそうでしたよ。
それで僕が『断ったらどうなりますか?』って聞いたんですよ。」
私:「ほー、人事異動を断る?」
Aさん:「当時は家庭の事情もあったじゃないですか?」
私:「あー、そうでしたね。
大変な時期でしたよね?」
Aさん:「だから、断ったらどうなるのかなと思って聞いたんですよ。」
私:「なるほど。」
Aさん:「そしたら、武谷(たけや)さんが、『断ったら再起不能だよ』って言ったんですよ。」
私:「えー!! 僕がそんなひどい事言いましたか?」
Aさん:「言いましたよ!!
それで仕方なく行ったんですよ。」
私:「そうなんですか?
いやー、覚えてないなー。
俺ってひどい上司だな。」
Bさん:「本当にひどい人ですよ。」
私:「でも、今となっては二人とも社長だから良かったじゃない?」
Aさん&Bさん:「それはあんたのおかげじゃない!!」
人事って恐ろしいものですね。
人の人生を変えてしまいます。
しかし、人間は悪い思い出は忘れるようにできているものですね。
本当にそんなひどい事を言ったかな?
「一番わかっているようで 一番わからぬこの自分」 みつを
合掌。