「アル中の上司をいじり倒す不良社員」
昔、伊藤さんと言う大変お世話になった営業部長がいました。
情があってとても面倒見がよい人です。
ご自宅にも何度も泊めていただき、素敵な奥様にも大変お世話になりました。
この伊藤さんとは最初の半年は喧嘩ばかりしてましたが、次第にお互いの理解が深まり
「そんなに悪いヤツでもないな」 という感じになってからは、親子のように仲良くして
いただきました。
今でも時々酒を飲みますが、昔と全然変わらずいい人です。
昔は毎晩のように伊藤さんと飲みに行っていました。
伊藤さんは、時折飲み過ぎた日の翌日に半休を取るのです。
「武谷(たけや)、悪い。
俺、昨日はちょっと飲み過ぎちゃったよ。
申し訳ないけど、午前中は半休にしてくれるか?
すまんがよろしく頼む。」
このような電話がかかってくるのです。
そして、伊藤さんが昼ぐらいに会社に来ると、みんなでイジリ倒していました。
「おい、みんな、アル中支社長がきたぞ!!」
「伊藤忠商事じゃなくて、伊藤アル中商事だな」
「おまけに半休までするから、伊藤アル中商事阪急百貨店と呼ぼう!!」
これをご本人の前で言うわけです。
むちゃくちゃな社員です。
それでも、ご本人は苦笑いしながら、
「ごめん。俺が悪かった。今後気をつけます。」
と言ってました。
しかし、1か月に1回ぐらいの頻度で同じような事を繰り返していました。
こんな上司と長く付き合っている内に、今は私がアル中になりました。
「つまづいたっていいじゃないか 人間だもの」 みつを
合掌。