「29年使った名刺入れが・・・」
新入社員の時に虎の門のバッタ屋おじさんから1000円で買った名刺入れが
今日ついにやぶれて使えなくなった。
この29年間、常時100枚以上の名刺でパンパンだった。
中身の名刺こそ入れ替わるが、ずっと相棒だった。
ここ数年、対外的にはメンバーからいただいた新しい名刺入れを使っているが、
せいぜい30枚ぐらいしか入らないので、これはあくまで外交的な名刺入れだ。
「武谷(たけや)さん、いつまでそんな古い名刺入れを使っているんですか?」
という優しい配慮に感謝しているが、私の名刺入れは常に古い方がホンモノ。
実はこの古いボロボロの名刺入れは営業場面で大きなインパクトを与える。
あまりに古くて分厚いので、新規のお客さんが驚く。
お客さん:「何ですか、その名刺入れは?」
私:「あー、これは新卒時代からずっと使っていますので、ボロボロでお恥ずかしいです。」
お客さん:「いやいや営業マンの勲章ですよ。」
実際、私の手油が付いてテカテカ光っている。
今もスタンドの光に照らされてテカテカ光っている。
フランスやイタリアに行った時、ブランド物の名刺入れを手に取ってみたが買わなかった。
この古い名刺入れの存在があったので買わなかった。
この名刺入れが営業活動の原点だからだ。
戦友を捨てるわけにはいかない。
魂を捨てたらオシマイだ。
しかし、その戦友も今回ばかりはグロッキーのようだ。
まだ、ほころびを縫えば使えると思うので、それは試みてみたい。
この名刺入れの小さなポケットをのぞいたら、昔、新規飛び込みでリストアップした会社の
紙切れが出てきた。
「ミツヤ送風機製作所」様
「ストラパックシモジマ」様
ネット検索したら、両社ともまだある!!
両社とも採用活動もしている。
共に私が生まれる前に設立された企業であり、素晴らしい生命力を維持している。
この紙切れも30年近く古い名刺入れの中で眠っていた。
電話番号は、東京(03)の後が、まだ三ケタしかなかった時代だ。
私が人材紹介業界に特化していなければ、すぐにこの2社の社長様に電話したい。
皆さん、私の代わりにこの2社にアタックしてください。
「花はつねにあたらしい枝に咲き あたらしい枝はかならずふるい幹から出る」 みつを
合掌。