「人材紹介業界の健全化」
一言で健全化と言っても難しいです。
どこが良い人材紹介会社で、どこが悪い人材紹介会社なのか?
キャンディデートの個人情報漏洩や、クライアントの機密情報漏洩に関しては論外ですが
それ以外の部分ですと、何を取り上げて善悪の判断をするのかは難しい話ですし
一歩間違えると独善的な主張になってしまいます。
同じ人材紹介会社でも、ある人にとっては素晴らしい会社であるのに、
別の人にとっては良くない会社に思えたりします。
一つはっきり言えるのは、同じ人材紹介会社のコンサルタントであっても、
担当コンサルタントによってクライアントやキャンディデートの評価が分かれるという事です。
良い人材紹介会社とは、このようなサービスレベルのバラツキが少なく、
全体的に高いサービスレベルをキープしている会社なのでしょう。
先日、ある転職サイト運営会社の責任者の方がお越しになりました。
「利用者からのクレームが多い会社や、成約情報をきちんと報告しない会社、
成功報酬の金額を安く申告する会社などは厳格に指導して減らしたい。
しかし、実際にどこで線引きするかは大変悩ましい。」
とおっしゃっていました。
私もそれには共感します。
また、
「武谷(たけや)さんは、どのような基準でクライアントを見ていますか?
未だ稼業の域を脱していない会社が多いと思うのですが。」
との質問もいただきました。
私:「コンサルタントの採用と教育に相応の投資をしている会社が良い人材紹介会社
だと思います。
もっと踏み込んで申し上げますと、コンサルタントに相応の固定給を払っている会社です。
人材紹介会社にとって固定給や社会保険など人件費負担は重いです。
しかし、そこまで負担しても採用し、戦力になってもらうために教育もする会社が
良い人材紹介会社だと思います。
概して、そのような会社はコンサルタントのモチベーションやモラルも高いので、
サービスレベルも高くなるでしょう。
もちろんコミッション(歩合)比率の高い会社にも良いコンサルタントはたくさんいるので
あくまで一般論です。
ただ、当社は固定給が極端に低い会社や、フルコミッション(業務委託契約コンサルタント)の
求人はお断りしています。」
先方:「それはなぜですか?」
私:「青臭いと思われるでしょうが、人材=お金、成約=お金、という感覚が強くなりすぎる
危険性があると思うからです。
この価値観を共有できる人材紹介会社や経営者とお付き合いしたいです。
しかし、アナログな基準だから線引きは難しいですね。」
先方:「そうですね。」
私:「要するに、法人でも個人でも人間的なバランス感覚や良心が大切だという意味です。
迷った時にお金だけで判断しない強さが必要じゃないかと思います。
『全然ガツガツしてないけど大丈夫なんですか?』って聞かれた事があります。
今のところは何とか生きていますが。」
先方:(笑)
私:「ただ、稼ぎたい人はガッポリ稼いでもらって構わないです。
人間的なバランス感覚さえ忘れずにやっていただければいいと思います。
『胸を張って子供に語れる仕事か?』 が私の永遠のテーマです。
お金って必要ですが怖いです。
人間は弱いですからね。」
「にんげん我慾のかたまり にんげんのわたし」 みつを
合掌。