「大手人材紹介会社は頭と心を使え」
今、若いけれど優秀なキャンディデートのAさんとやり取りをしています。
Aさん:「武谷(たけや)さん、大手人材紹介会社に登録しましたけど、
たくさん求人を並べて 『好きなものを選んで応募してください』 と言われました。
あれじゃ求人広告と変わらないじゃないですか?
とても応募する気になれませんね。」
私:「そうでしょうね。
でも、求人票は事業内容や経営者の事など詳しく書かれているでしょう?
あの詳細な求人票を作るのは大変なんですよ。」
Aさん:「だから、求人広告と変わらないと言うんですよ。
いい事しか書いてないでしょう?
それに何十枚も読めませんよ。」
私:「Aさんの場合は、若くて優秀だから特に求人が多くて絞りにくいんですよ。」
Aさん:「だからこそ、私の事をよく理解してもらって、
これだという求人を自信を持って薦めてほしいんですよ。
それがプロの人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)でしょう?」
私:「もう少しキャリアがあって年収の高い層は、両面(一気通貫)でやっているから
コンサルタントの肌感覚で情報提供できるんですけどね。」
Aさん:「年齢やキャリアを問わず、人間が介在する意味があるサービスを期待します。
若い人の方がわからなくて迷うんです!!」
Aさんが主張している事はもっともだと思います。
分業と両面(一気通貫)という違いも大きいのですが、
大手人材紹介会社は求人票に詳しく書きすぎていると思います。
それならば確かに転職サイトで選んで応募しても本質は変わらない。
もうやり方が旧いんですね。
逆に、中小・ブティック型の紹介会社の求人票は実にあっさりした内容です。
しかし、コンサルタントが1社1社丁寧に補足説明します。
求人票が詳しいより、求人票がスカスカでも、
人間が熱心に補足説明してくれた方がキャンディデートの心に響くわけです。
そうであれば、大手人材紹介会社もわざと求人票をスカスカにすればいいのです。
そして、詳細情報が書かれてある裏画面を見ながら丁寧に説明すればいい。
また、過去のクライアント別の離職率データや退職理由、成功している人のタイプ
も教えてあげればいいと思います。
それ以前に、不必要に数多くの会社を紹介しないようなタイプマッチングが必要だ。
この会社には、こんなタイプは合う・合わないをデータ化できるはずです。
新しい求人をバンバン送りつけるだけではなく、
「私はこのような理由で貴方にこの求人をご紹介します。」
と言えるサービスを、優秀なコンサルタントだけでなく、
未熟コンサルタントでもできるようにシステム化しないと駄目でしょう。
元々、優秀なコンサルタントのシステム依存度は高くないのです。
未熟コンサルタントのために毎年何十億円ものお金をシステムに投資しています。
また、立派なシステムができても、その使い方が悪いと駄目なので、
優秀なコンサルタントのシステム活用方法を社内で十分に共有し、
未熟コンサルタントに叩き込むべきだと思います。
しかし、実際には難しいでしょうね。
労働集約産業を最も嫌う親会社としては、
キャリアアドバイザーをロボットに替えたいくらいでしょう。
極限の利益率を追及する会社の中で、本当にハイタッチなサービスを実現できるのか?
経営陣は業績が伸びている以上、大きな危機感はないでしょう。
その分、現場でやっている心あるメンバーが大変です。
「なやみはつきないな 生きているんだもの」 みつを
合掌。