「一体感はなぜ生まれたか?」
昔のリクルート人材センター時代の話で恐縮だが、なぜあれほどの一体感が生まれたのか?
と考える。
しかし、その答は大変シンプルだと思う。
1 会社とはミッションと目標に強くコミットする同志の集まりである。
2 例外を許さず、コミットできない者は徹底的に再教育する。
*私も何度も再教育された。
ある種の宗教なのだ。洗脳だ。
その教祖が社長をはじめとする経営陣やマネージャーである。
だいたい急成長する会社とはこんなものだ。
逆に、これができない会社はあまり成長力しない。
成長力がない会社を見ていると、いつも三歩進んで2.5歩ぐらい下がっている。
採用しては人が辞める、また採用しては人が辞める。
個性豊かな社員をまとめきれない。
そうこうしていると、強烈な競合他社が出てきて、あっという間に追い抜かれる。
急成長には、モノカルチャーで金太郎飴のような社員が欠かせない。
金太郎飴と言っても一人一人の個性は人一倍強く、手が付けられないような人間が多い。
*だから独立してもやっていけるのだ。
しかし、多様な個性を一つの方向にまとめるのが宗教だ。
「目標達成すれば人間」 それができないのは 「給料泥棒で同志ではない」
「ノーワーク・ノーペイ」 = 「目標達成しないヤツは給料をもらう資格がない」
これは内定者時代から徹底的に叩き込まれた。
業績上位者で且つ、上司・同僚・後輩・バックオフィス全ての社員から評判が良いヤツが
次期マネージャー候補。
評価は常に360度。上司にだけゴマをすっても全く駄目だ。
誰に対しても気持ちよく接しなければならない。
常に心からの感謝と厳しさを持って。
特に、優秀なアシスタント(通称:庶務)の女性の評判が悪いヤツは烙印を押される。
庶務はいつも冷静・公正に周囲を見渡している影のマネージャーだ。
さばさばして正義感が強い人が多い。
そして、マネージャーはおもしろい人が歓迎される。
常に元気で他の社員を笑わせるのが得意なヤツがいい。
職場の活性度を上げられるキャラクターとサービス精神。
そこそこ頭とフットワークの良い人材を採用し、これを徹底的にやったのが
リクルートとインテリジェンスだ。
人材採用と教育にはお金も労力も惜しまない。
というか、成長するには優秀な人を採用し上手にマネジメントするしかないのだ。
当然ながら、弊害や置き忘れたものも多いと思う。
必ずしも顧客満足を満たしているとも言えない。
本当に細かくかゆい所に手は届いていないだろう。
最短距離で最大利益を得ようとするからだ。
個人力では限界があるので、仕組み化でリカバリーする。
年間20万人以上の登録があっても、大事件が起こらない仕組みをつくる。
しかし、仕組み化が行き過ぎると人間味はなくなり機械的になって、
ただの 「人間リクナビ」 になってしまう。
そうなると働く社員も楽しくなくなる。
そう言っている後輩がたくさんいる。
離職者が増え、心身を病む者も増えた。
仕組み化の進行とともに、リクルートエージェントはリクルートになった。
かつての同僚の大半が、リクルートキャリアコンサルティングに異動して
今は再就職支援の仕事をやっている。
これもあり、それもあり、人生いろいろ、人材サービスもいろいろだ。
最後は市場が審判を下すだろう。
とにかく目の前のクライアントとキャンディデートに集中しよう。
記録より記憶に残るサービスをしよう。
「自分が自分にならないで だれが自分になる」 みつを
合掌。