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「同業他社への転職はちゃんと仁義を切った方がいい」

「同業他社への転職はちゃんと仁義を切った方がいい」

 

 

 

競合他社への転職、禁止の契約条項、二審も「無効」。

 

2012/06/14 日本経済新聞 朝刊 39ページ

 

 

 

 「退職後2年以内に競合他社に就業するのを禁止し、違反した場合は退職金を

 

支給しない」とする契約条項は無効だとして、外資系生命保険会社の元執行役員

 

の男性が会社に退職金約3千万円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高

 

裁(梅津和宏裁判長)は13日、契約条項を無効と認めた一審・東京地裁判決を

 

支持し、会社側の控訴を棄却した。

 

 男性は「アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー」日本支店(現

 

メットライフアリコ生命保険)の元執行役員。2009年6月に退社、翌月に別

 

の生保に転職し、アリコ社は退職金を支給しなかった。

 

 判決理由で梅津裁判長は保険業界では営業成績に人脈などが大きく影響する

 

が、男性の努力で獲得したノウハウの流出を禁止することは、正当な目的とは言

 

えない」と判断。一審同様、退職金約3千万円の支払いを命じた。

 

この判決に類似するケースが人材紹介業界では多いので、

 

今日はこれに関して考えてみましょう。

 

 

 

まずは、下記の憲法の考え方がベースにあります。

 

(日本国憲法第22条第二項)

 

「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転、および職業選択の自由を有する。」

 

 

 

 

 

一方で、下記の「競業避止義務 」というものもあります。

 

 

 

労働法における競業避止義務

 

労働法においては、競業避止義務とは次のような概念である。

 

  • 在職中に使用者の不利益になる競業行為(兼職など)を行なうことを禁止すること
  • 一般の企業において、従業員の退職後に競業他社への就職を禁ずることを定めた、誓約書や就業規則に含まれる特約(競業禁止特約ともいう)

 

このうち、問題となるのは主として後者のケースです。

 

(競業避止義務の有効性)

 

競業避止義務が有効であるか否かの判断基準は競業禁止の期間・地域・代替措置の有無等により、個々のケースにより判断されるべきものである。日本においては日本国憲法における職業選択の自由(憲法22条1項)との関係が問題となる。職業選択の自由は絶対無制約ではなく公共の福祉による制約を受けるが、公共の福祉を根拠とする人権制約は法令によってのみ可能であるとする考え方からは、私人による特約・就業規則を公共の福祉の根拠として(公権力の介入によって)人権制約をすることは不可能であり、会社側が元従業員に訴訟を起こし賠償命令や競業停止判決を下す場合は、国家権力である司法権力によって憲法上の人権を制約することになり、憲法上問題となる(司法的執行の理論)。

 

現在、競業避止義務の有効性の根拠は「企業と従業員の間の契約関係によるもの」とする考え方が一般的であるが、上記の通り本特約は憲法上の人権を制約するものであるという性質を持つため、合理性がないと判断される特約については民法上の公序良俗違反(民法90条)として無効とすることにより、特約の適用範囲に一定の歯止めをかけている。

 

裁判例には、「従業員の地位・業務の性質」「ノウハウ等の要保護性」「勤続年数」「競業避止義務が課される期間」「代償措置の有無」等を考慮要素として公序良俗違反の成否を判断するものが多い。例えば、高位の管理職であり、要保護性の高いノウハウに触れており、競業避止義務の対価とみるに十分な報酬が支払われていたような場合には、権限も低く、触れていた情報も特段保護に値しないものであり、基本給以外に何ら特別の手当も支払われていない場合に比較すると、公序良俗違反は認定されにくい傾向にある。また、そもそも競業避止義務を定める合意が有効に成立しているといえるかどうか(従業員側が自由意志に基づいて合意したものか否か)が争われるケースも多い。合意の成立を認めつつも、競業避止義務の範囲を合理的な範囲に制限して義務違反を認定しないという判断をする場合もみられる(東京地方裁判所平成17年2月23日判決)。

 

このように法的には、原則憲法上の「職業選択の自由」が優先されますが、

 

競業避止義務に抵触するか否かは個別判断という事です。

 


例えば、私はJACリクルートメント(旧:JACジャパン)の

 

代表取締役社長という職責にあってこれを辞任し、5か月後に

 

マンパワー・ジャパンに転職したわけです。

 

 

 

私はマンパワー・ジャパンに内定後すぐにJACリクルートメントの

 

田崎ひろみCEOと田崎忠義グループ代表にアポイントを取り、

 

マンパワー・ジャパンに転職することをお話ししました。

 

要するに仁義を切ったわけです。

 

 

 

私が仁義を切らずに転職していたら、これまでの折角のお付き合いが

 

途切れていたと思います。

 

 

 

それから、リクルートエイブリックを退職する際も、当時の岡崎社長に

 

「JAC社にお世話になります。」と仁義を切りました。

 

 

 

人材紹介会社によって、競業避止義務の厳しさ度合いが違うと思いますが

 

大切な人間関係を維持するためにも、私は可能であれば仁義を切ることを

 

お勧めします。

 

 

 

先日も独立して人材紹介会社を立ち上げるという方から、

 

「仁義を切るべきでしょうか?」と相談されたので、

 

仁義を切るようにお勧めしました。

 

その後、「やっぱり仁義を切って良かったです。」

 

とすっきりされたようでした。

 

 

 

狭い業界ですし、必ずどこかで顔を合わせます。

 

また、いつ何時お世話になるかわかりません。

 

できれば仁義を切りましょう。

 

 

 

また、経営者の方にもお願いします。

 

社員が正直に仁義を切ってきたら、

 

できれば大らかに許してあげてください。

 

 

 

退職後も笑って再会できる関係でいたいと思います。

 

 

 

「なるべくならうそのないほうがいい」   みつを

 

 

 

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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