「ソニーとパナソニック」
最近のニュースの中では、ソニーとパナソニックの経営不振が気になります。
自動車のトヨタとホンダ、家電・AVのソニーとパナソニック、 という印象でしょう?
「ものづくり立国」 の日本を代表する企業です。
ところが、海外に行くとホテルに置いてあるテレビはほとんどサムスンかLGでしょう?
「日本のメーカーは何をやってるんだろう?」 と思います。
過去のブランド力にあぐらをかいて、アグレッシブに営業してなかったんでしょうね。
外国人はテレビが日本製か韓国製かなんて関係ないですよね?
昔のように品質で圧倒しているならともかく、テレビはほとんど差はないでしょう。
ところで、ソニーもパナソニックも相当以前からリストラを進めてきて、
かなり体力が弱っているはずですが、前期も4000億円とか7000億円の赤字で
よくつぶれませんよね?
これまでは過去の蓄財で何とかなりましたが、将来はそう長くはもたないでしょうね。
テレビなんか作っている場合じゃないですよね?
有機ELで2社が提携するという話もありましたが、もうテレビはいいんじゃないですかね?
財務力と経営スピードと営業力、どれをとっても韓国勢にはかないません。
昔はソニーが今のアップルのような存在で世界を席巻していました。
ウォークマンをはじめとして、次々に消費者が驚くような新商品を開発して
世の中を変えてきました。
パナソニック(当時:松下電器産業)は、 「マネシタ電器」 と言われながら
ソニーの後追いで製品開発し、全国に張りめぐらしたナショナルチェーンの販売力で
売りまくっていました。
両社に共通して言えるのは、「良い会社すぎた」 という部分ではないでしょうか?
社員に対して大変手厚く処遇してきたという意味では素晴らしい思います。
市場競争力が強い時代はそれでも良いのですが、
それを失くした今でも普通の会社に比べたら、まだまだ絞れば水が出るそうきんです。
同業界の中では給料も高い、福利厚生も充実している。
昔、ソニーの知人に聞いたら、
「有給は毎年100%消化しないと上司に怒られる」
と言っていました。
ソニー本社や子会社にはクライアントとして何度も訪問しましたが、
昔は個性的な社員が多いことで有名でした。
実際にそうでした。
変わってるけど、尖がってクリエイティブな人が多かったです。
最近はどうなんでしょうかね?
歴代のCEOを見ても、どんどん小粒になっている気がしませんか?
ソニーだけですよ。
「うちの社員が登録しても転職させないでね。」 と言って、
当時のリクルート人材センター(現:リクルートエージェント)にお金を払っていました。
危ない話ですが、30年前なので時効にしてください。
この事を知っているのは、もう10人もいないと思います。
夏の暑い日に門真のパナソニックに訪問しましたが、駅から遠くて汗だくになりました。
私の親友がパナソニックに勤務していましたが、夜は門真本社前にはMKタクシーの
行列だと言っていました。
当然、経費は会社負担です。
素晴らしい!! 素晴らしすぎる!!
両社とも創業者が偉すぎる!! 素晴らしすぎる!!
でも両社とも最初は小さな町工場でした。
しかし、社員は世界的な大企業だと思って志望し入社します。
「もう一回、町工場から始めようぜ。」
という経営者や社員が数多く出てこないと復活なはいどころか、
遠くない将来、大手同士で合併し、その後は外資に買収されると思います。
そうなったら、もう日本の製造業は終わりです。
そんな寂しい結末は見たくないので、ソニー、パナソニックをはじめ日本のメーカーの皆様
創業時代の精神を学び直して踏ん張ってください。
「ものづくり」 こそ、日本の誇りです。
「生きているうち はたらけるうち 日のくれぬうち」 みつを
合掌。