「この無礼者!!」
気心の知れた人に 「ため口」 をきかれるのはいいが、
初対面でいきなり 「ため口」 というのは、多少年齢が上の人でも許せない。
GWの海外旅行中、ある町で日本人に呼び止められた。
日本人はあまりいなかったので、
「やっと見つけた!!」
という気持ちはわかる。
それにしてもいきなり、
「ねえねえちょっとねえねえ!!」
はないだろう?
聞こえたが2~3回無視してたら、追いついてきた。
50代後半ぐらいの日本人男性と奥さんらしき人だった。
多分それなりに立派な会社の上級管理職だと思われる。
日本人男性:「あのさー、この場所に行きたいんだけど教えてくれない?」
私:「は?」
日本人男性:「だからあのさー、ここに行きたいんだよね。
どうやったら行けるかな?」
私:「は!!」
再度にらみながら言った。
日本人男性:「だからあのー・・・・・。」
私:「初対面の人に道を尋ねる時に、『あのね、あのね』 って、あなたは誰ですか?」
家内:「武谷(たけや)さん!!
済みません。
どちらに行かれたいんですか?
あー、わかると思います。
この地図ではわかりにくいですね。
済みません。
ちょっとお待ちください。」
と言いながら、わざわざカバンからガイドブックを出して丁寧に説明した。
日本人男性:「あー、助かりました。
ありがとうございます。
初めて来たのでわからなくて。」
家内:「確かにわかりにくい場所ですよね。」
日本人奥さん:「どうもありがとうございます。
良いご旅行を。」
1 若いかと思ったら、近くで見ると私が意外と年を取っている。
2 「ねえねえ」 と言われて怒っている。
3 家内が丁寧に道を教えた。
このような事が重なって、相手は途中から敬語で話し始めた。
「このバカヤロー!!
相手によって態度を変えるんじゃねー!!
俺はそういうヤツが一番嫌いなんだ!!」
私は30年懇意にさせていただいている先輩にも 「ため口」 をきいたことはない。
*一度だけ切れて、「お前」 と言ったことはある。
また、自分より年上の部下に対しても 「ため口」 をきいたことはない。
自分の子供ぐらいの年齢のキャンディデートにも敬語を使う。
年長者やお客様、まして初対面の相手には敬語を使う。
学生や毎日通っているコンビニのお兄さんにもだ。
当り前の話だ。
この考え方は、実は家内も同じだ。
私より大人だというだけで、内心では気持ちよくなかった。
「自分なら決してあんな尋ね方はしないな。」
と思いながら、
「そういう人もいるから仕方ないよ。」
と冷静になって道を丁寧に教えたのだ。
日本人は外人じゃないんだぜ。
「敬語」 という大切な言葉(文化)があることを忘れるなよ。
今生きている私たちが敬語を使わなかったら、子供が敬語を使うわけがない。
普段は、「ため口」 だらけ。
そのくせ、「就職活動」 の時だけは慣れない敬語を使う。
そんなんじゃ落とされるに決まってる。
「原点
アノネ 人間にとって一番大事なものはなにか?
そこを原点として考えてゆけば
あとは自然にわかってくるよ」 みつを
合掌。