「高年収者の転職は難しい」
在籍している会社で高い年収をもらっている人の転職は難しい。
特に固定給が高い人は難しい。
人材紹介業界において、1000万円程度の固定給を最初から払える会社が少ないからだ。
インセンティブ含めて1000万円であれば不可能ではないが、
固定給で1000万円というと最初から高い職位で迎えられなければ難しい。
事業部長や部長クラスとして採用されるとか、特別な事情が必要だ。
しかし、外部からいきなり部長クラスで迎えるような求人は、昔に比べて少ない。
2000~2005年ぐらいの頃は、人材紹介業界も急成長期であり、
各紹介会社の中でも業務フローや役割分担など組織運営のノウハウが蓄積されていなかった。
そのような状況の中、業容拡大を図る人材紹介会社は、外部から事業部長や部長など
管理職採用を活発に行った。
しかし、外部から管理職を採用しても、劇的に業績が良くなるわけではない。
既存社員との軋轢も生まれる。
そうこうしている内にリーマンショックがやってきた。
もう採用なんかやってる場合じゃない。
早くリストラしないと会社がつぶれてしまう。
「そう言えば、あの外部から来た年収の高い部長はなんだ!!
あいつがもたもたしているからこんな事になったんだ!!
最初にあいつをクビにしろ!!」
最悪の場合は、このように戦犯扱いされてしまった。
そして、リーマンショックを乗り越えた人材紹介会社は学習した。
「外部から上級管理職を採用したところで劇的に業績は上がらない。
それよりも自社で採用育成した社員を管理職に登用した方がいい。」
大雑把だがこのような理由で、外部からの管理職採用は少なくなった。
即戦力のプレイヤーであれば幾らでも採用するが、いきなり管理職として採用するのは
余程特別なミッションが与えられるケースに限られる。
従って、余程特別な実績やスキルの持ち主に限られるということだ。
私は常時5~10人ぐらい年収の高いキャンディデートと接している。
最近は年収の高い人も、
「転職したら今の年収はキープできませんよね?」
と自覚されている場合が多い。
私はこのように申し上げる。
「そうですね。
交渉して高い年収で入り、後から下げられるのと、
最初は少し低い年収で入って、後から上がるのと、
どちらがよろしいですか?」
人材紹介会社と一口に言っても、その中身は千差万別でやり方もカルチャーもバラバラだ。
1社での成功体験が他の人材紹介会社で100%活かせることはほとんどない。
そういった事情を事前に情報収集する場合には、是非お問い合わせいただきたい。
主だった人材紹介会社には、必ずと言ってもよいほど友人や知人がいる。
それが社長や役員である会社も多い。
一つの情報ソースとしてご活用いただきたい。
*それでは皆様、良い連休をお過ごしください!!
「おかげさん」 みつを
合掌。