「人材派遣会社の経営者は人材紹介業を勉強しよう」
昨日は、人材紹介業の人は人材派遣業にも関心を持ちましょうという話でしたが、
今日は逆に、「人材派遣会社の経営者は人材紹介業を勉強しよう」 という話です。
理由は、本当にわけわかってない経営者が多くて失敗ばかりしているからです。
理解していただこうとして業界を俯瞰した説明を何時間もしたり、
紹介業と派遣業との相違点を表にして対比したり、
それなりの説明努力をしても、ご本人が本気で知りたい・理解したいと思わないと無理です。
多くの友人・知人が人材派遣会社の人材紹介部門で働いていますが、
ほとんどの人が同じ悩みを抱えています。
まあ、ずーと人材派遣業をやってきた経営者に、今から人材紹介業を勉強しなさい
というのはそもそも難しいでしょう。
それであれば、「わからない事に口を出さないでほしい」 という事です。
ところが、わからないのに口は出す経営者が多いから人材紹介部門の事業部長や管理職、
最後は現場の人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)がひっかきまわされて
困るのです。
人材派遣事業は薄利ですが売上は大きく上がるでしょう?
それをそのまま人材紹介業にあてはめて、
「すぐに10億、50億、100億ぐらいできるだろう?」
などとおっしゃるわけです。
昨年も友人が同じような事をいきなり言われて、ブチ切れて辞めました。
それから、派遣業はオーダー(求人)数が、5件ぐらいあれば1件成約するでしょう?
その代りオーダー(求人)を獲得するのは、紹介業より大変ですよね。
逆に、紹介業はオーダー(求人)を獲得するのは比較的容易なのですが、
5件あっても1件成約できないでしょう?
多分平均すると、オーダー(求人)数が20~30件はないと、1件成約できないですよね。
一般事務の人材ではなく、それなりに特殊なスキルや技術を持った人材を紹介する
わけですから、人探しも大変だしマッチング(条件調整)も難しい。
また短期間就労するわけではなく、長期間に渡り正社員として勤務するわけですから、
雇用するクライアントもキャンディデートも当然慎重に選びます。
それだけマッチングが難しく成約しにくいので年収の30%もいただけるわけです。
従って、手堅くやれば利益率は高くキープできますが、売上は派遣のように上がりません。
こんな小中学生でもわかるような事を、未だにきちんと理解していない経営者がいます。
面倒な事が多い割に薄利な人材派遣業から見ると、人材紹介業は簡単に利益が上がる
美味しいビジネスに思えてしまうのでしょうかね?
リーマンショック後、人材紹介業もはじけてしまって、そんなに美味しい業界じゃないことは
わかったでしょう?
もうそろそろちゃんとお勉強しましょうね。
お勉強しないなら、現場の責任者にもっと権限移譲しましょう。
両方できないから困っちゃうんですよね。
「一生勉強 一生青春」 みつを
合掌。