「人材紹介業はどこまで回復するか?」
株式会社ビジネスコーチ(人材ビジネス経営戦略コンサルティング会社)の小出社長よりお送りいただいている人材ビジネスに関するニュースクリップです。
転職仲介料の回復鮮明、リーマン前水準に上昇、IT・サービス業で求人増。
2012/03/23 日本経済新聞 朝刊 33ページ
「転職市場の回復が鮮明になってきた。人材紹介大手の仲介手数料はリーマン・
ショック前だった2008年春夏の水準に戻った。IT(情報技術)や通信、小
売りや外食などサービス業の求人需要が旺盛だ。企業が今年4月入社の新卒で採
用しきれなかった即戦力の人材を転職市場に求める動きが広がっている。
紹介会社が採用企業から受け取る手数料の平均値は現在、転職希望者の予定年
収の30%前後。求人が激減した09年には紹介会社の競争が広がり、25%程
度に下がる例が多かったが、「リーマン・ショック前の水準に戻った」(インテ
リジェンスの転職サービスDODAの美濃啓貴編集長)。
紹介大手のジェイエイシーリクルートメントでは、11年通年の1人当たり紹
介手数料が前年比6・4%上昇した。08年4~9月の水準を超えた。登録者に
占める高年収層の割合を高めたうえ、「採用の難易度が高い人材を中心に手数料
引き上げに取り組んだ」(同社)ためだ。
企業の海外展開加速や震災復興需要の広がりを受け、求人の裾野が広がってい
る。これまで好調だったITや通信、インターネット関連に加え、小売りや外
食、不動産の企業が転職者の採用意欲を強めている。職種では技術職に加え、営
業職の求人が底堅い。
紹介最大手のリクルートエージェント(東京・千代田)では、2月末の求人数
が6万800人と前月末比2・5%増えた。増加は4カ月連続。前年同期比では
31・9%多く、最も低水準だった09年4月末の2倍近い。インテリジェンス
の2月末の求人数は前月末比2・3%増。前年同期比では18・1%多い。
企業はリーマン・ショック前と比べ、人材の採用基準を高めている。採用企業
の引き下げ要求が減り、手数料は上昇しやすくなった。
足元では電機メーカーの業績悪化などが影響し、製造業の求人が伸び悩んでい
る。ただ「企業が即戦力を求める傾向は変わらない」(インテリジェンスの美濃
氏)ため、転職市場の回復傾向は続くとの見方が優勢だ。
【図・写真】インテリジェンスが2月に開いた転職イベントには過去最大級の約
200社が参加した。」
いかがでしょうか?
皆さんの実感値に近いでしょうか?
確かに上記の大手人材紹介会社の採用意欲は高いです。
日本経済のプラス要因が大きく三つあるそうです。
1 復興需要
2 ユーロ危機の回避
3 日銀のインフレターゲット設定
逆に不安要素も三つあるそうです。
① ユーロ危機の再燃
② イラン紛争による原油価格の急騰
③ 財政危機による日本国債の更なる格下げ
どちらかと言うと、上段1・2・3の強気な見方が有力のようです。
大手人材紹介会社は2008年が過去最高益でしたが、
その時の業績にどこまで迫れるでしょうか?
リクルートエージェントとインテリジェンスは以前が良すぎたので
難しいでしょうが、JACは売上はともかく利益は過去最高を
更新するかもしれません。
いち早くターゲット市場を絞り込み、それに対応する社内体制を整えたのが
奏功するような気がします。
中小ベンチャーの人材紹介会社、特に新進気鋭のベンチャー人材紹介会社は
数多くの会社が過去最高益を更新すると思います。
特にIT業界や製造業界のエンジニア紹介に強い人材紹介会社は、
破竹の勢いです。
やはり、付加価値の高い業界や職種をターゲットにして、
ぶれずに取り組み続けている会社は強いです。
私のビジネスとしては、おかげさまで求人は多いのですが、
優秀なキャンディデート集客が課題です。
しかし、求人が多いというのは、大変ありがたいことですね。
キャンディデートが多くても、求人がなければ紹介できませんからね。
さあ、景気の良さに浮かれず、この時期にじっくり力を蓄える
必要がありますね。
リーマン前のように浮かれて浪費しちゃ駄目ですよ。
人材採用、育成、業務フローや仕組み・システムの整備、
賢いプロモーション活動、ブランディングなどに投資しましょう。
お金も必要ですが、頭を使い汗をかくという意味での投資が必要ですね。
「土の中の水道管 高いビルの下の下水
大事なものは表に出ない」 みつを
合掌。