「直接応募する前に相談してくれたら」
Aさんは未経験だが人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント、キャリアアドバイザー)
を強く志望している。
明るく素直で飾らず、仕事の成果にはこだわるが、それと同時に優しさも持ち合わせている
バランスの良い人だ。
Aさんのような人に会うと、誰でも 「何とかしてあげたい」 と思うだろう。
しかし、履歴書と職務経歴書だけで判断されると少し弱い。
実際、私がご紹介したかった人材紹介会社に転職サイト経由で直接応募して、
見事に書類選考で落選していた。
私:「●●社なんかどうですかね?」
Aさん:「実は応募したことがあるんですよ。」
私:「面接は誰が出てきました? 結果はどうでした?」
Aさん:「いえ、面接まで行けず書類選考で不合格でした。」
私:「えー、もったいない!!
どうしてもっと早く私に相談してくれなかったんですか?
必ず合格できたのに。」
Aさん:「うーん、今まで人材紹介会社を利用したことがなかったので・・・・・。」
私:「もったいない。
私に相談してくれてたら、社長さんや人事部長さんに頼みこんで面接してもらいますよ。」
Aさん:「そんなことができるんですか?」
私:「何でも聞いてくれるわけじゃないですが、ある程度実績がある会社だったら、
少なくとも面接はしていただけますよ。」
Aさん:「へー、転職サイト経由の方が気楽に面接してくれると思っていました。」
私:「もちろん、そういう会社もあります。
ただ、応募者数が多いと書類上で光るものがないと、採用側の手間も大変だから
埋もれてしまいますよ。」
Aさん:「それはそうでしょうね。」
私:「でも、私が会った上で、『とても良い人だから何とか会ってください』 とお願いすれば
面接はしていただけますよ。」
Aさん:「そんなに無理がきくんですか?」
私:「無理じゃないですよ。
『書類ではイマイチかもしれないけど、面接していただければ自信があります』
という気持ちにならないと、私もそこまで押せませんよ。
Aさんの場合は、私がその気持ちになれるので押せるんです!!」
Aさん:「そうですか? ありがとうございます。」
私:「そんな事もなかったら、人間がこの仕事をやっている意味が無いですよ。
そんな事がないなら、私はとっくにこの仕事を辞めてますよ。
人と人との出逢いで人生が変わっていくんじゃないですか?」
Aさん:「へー、そんなものですか?
やっぱり、この仕事はおもしろそうですね?」
私:「いい事ばかりじゃないですよ。
Aさんの逆のパターンもあります。
履歴書や職務経歴書は立派だけど、会ってみたらイマイチで困る場合もありますよ。
クライアントが期待して面接するだけに、実際に会ってガッカリというケースもあって、
『武谷(たけや)さんは、あの人の事をどのように評価して紹介してくれたんですか?』
と詰問されることもありますよ。」
Aさん:「へー、やっぱり大変ですね。」
私:「Aさんは自己認識が薄いかもしれませんが、貴方は直接応募するよりも人材紹介会社経由で
応募した方が良い結果が出るタイプの人だと思います。」
Aさん:「そんなものですか?」
私:「『そんなものですか?』 って、そんな仕事がしたいから人材紹介会社を志望してるんでしょう?
人が人に提供するサービスだから、色々なドラマが起こるんですよ。」
「そのときの出逢いが人生を根底から変えることがある よき出逢いを」 みつを
合掌。