ホーム > 社長ブログ > 「リファレンスチェックの功罪」

社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「リファレンスチェックの功罪」

「リファレンスチェックの功罪」
 
欧米のように今では珍しくなくなった「リファレンスチェック」の意味はご存知ですよね?
 
知らない人は、検索すれば丁寧な説明が出てきます。
 
一般的には重要な役職者・社員を採用する際に、
 
採用企業がキャンディデートの推薦する知人(元上司・同僚が多い)に、
 
そのキャンディデートの能力や人柄をヒアリングし、選考材料の一つとするものです。
 
いわゆる身上調査は法律で禁止されています。
 
従って、あくまでキャンディデートが推薦する人に、そのキャンディデートの能力や人柄を
 
聞くわけです。
 
「えー!! そんな仲の良い人に聞いても意味があるの?」
 
と普通は思いいますよね?
 
聞き方次第です。
 
クライアントの中にも上手・下手があって、上手なクライアントはキャンディデートの
 
長所だけでなく、短所も必ず聞き出します。
 
長所が聞けたら、短所を聞けたのも同然です。
 
「彼は穏やかで誰からも好かれる人ですよ。」 と言われたら、
 
逆に 「敵をつくってでも、やるべき仕事を完遂する強さが無い。」 と受け取られます。
 
「彼は大変実行力があって、やると決めたらどんな障害でも乗り越えます。」 と言われたら、
 
逆に 「あー、目的のためには手段を選ばない冷徹な人間なんだ。」 と受け取られます。
 
そこから更に突っ込まれるわけです。
 
「彼は人柄は良いが、決断力がないと言われたことはありませんか?」 とか、
 
「彼は実行力はあるが、多くの社員の反発を買いませんでしたか?」 とか。
 
しかし、この程度の情報は、狭い業界では既に多くの人が知っているのです。
 
それなのにあえて「リファレンスチェック」を行うのは、
 
長所と短所を再確認した上で、リスクの少ない採用をしたいからです。
 
一方で 「リファレンスチェック」は噂の一人歩きも招くので要注意です。
 
「俺、あいつのリファレンスをとられたよ。
あまり悪くも言えないから、当たり障りの無いことを話したよ。」
 
なんて事を誰かに話すと、あっという間に噂が広がります。
 
「リファレンスチェック」の怖い部分は、少数の人の主観を選考材料にされることですが、
 
その主観が噂で大きく広がり、キャンディデートが立ち直れないほど大きなダメージを
受けることもあるのです。
 
個人情報保護法はありながら、それを合法的に超える噂話。
 
こっちの方が余程怖いですね。
 
そして、それぞれの人には、仕事において調子の良い時も悪い時もあります。
 
プライベートな事情も影響します。
 
本来は、他人に聞くより本人に聞くのが本筋です。
 
そのための面接です。
 
「貴方が過去の仕事でうまく行った事、うまく行かなかった事、
それぞれの理由を自分なりに分析して話してください。」
 
この質問に対する回答の深さで、ほとんど判断できると思います。
 
「つまづいたっていいじゃないか 人間だもの」    みつを
 
合掌。

記事の一覧に戻る

コンサルタントによる転職相談
ご登録はこちら

プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

カテゴリー

アーカイブ

このページのトップへ