「もうけたいなら整理整頓」
先週の金曜日の夜、あるクライアントを訪問した。
当社経由で入社された方々が大活躍されており、私を接待してくれるというのだ。
お金をいただいているのに接待されるとは、何とも有難い話だ。
それぐらいの勢いで急成長しているクライアントなのだ。
クライアントに到着すると、受付の電話機で営業部長さんを呼んだ。
「電話機がきれいだ。前の人の手垢がふき取ってある。」
その後、営業部長さんが社内を案内してくれた。
「どの部屋も机と椅子がまっすぐに並べられている。」
「机の上も汚れていない。」
「床にゴミなど落ちていない。」
面談ルームや会議室だけでなく、社員が仕事をするフロアーも少し見せてもらった。
「無駄なものがほとんど無い。露出していない。」
「床もきれいだ。」
「あるのは、みんなが一目で情報を共有できるホワイトボードだけだ。」
このようなクライアントと逆の会社もある。
家賃の高い立派なビルに入っているが、整理整頓、掃除ができていない会社だ。
受付の空間から雑然としている。
来客が並んで待っている。
受付さんは慌しく笑顔が無い。
立派な応接室に通される。
「途中の通路に雑然と物が置かれている。」
「椅子がバラバラに並んでいる。」
「机が前に利用した人の手垢だらけで汚い!!」
「飲み物のしみがある。弁当の臭いもする。」
「なんじゃこれは!! こんな会社に人を紹介できるか!!」
「一事が万事」 である。
社内の整理整頓や掃除もできない会社が、良い会社であるわけがない。
実際、このような会社が長く繁栄することはない。
金曜日の夜に訪問したクライアントの営業部長さんから、以前言われたことがある。
営業部長:「他人に言われなくても自発的にゴミを拾えるような人を紹介してください。」
私:「それは、おじいさんやおばあさんを紹介してください、ということですか?」
営業部長:「は、は、は、そのようなマインドを持った人を紹介してほしいという意味です。」
「一倉定 の 経営心得」 に、このような一説がある。
「環境整備こそ、すべての活動の原点である。」
「環境整備とは、規律・清潔・整頓・安全・衛生の五つを行うことである。
多くの人々は、環境整備について、知っているようで、その実よく知らない。
大切なことだから、やらなければいけないと思いながら、なかなか積極的に実施しようとはしない。
環境整備をテーマにした論文やセミナーなど皆無に近い。環境整備に対する認識も関心も
うすいのである。私にいわせたら、これほど奇妙な現象はない。
十カラットのダイヤモンドがゴロゴロところがっている宝の山に入り、誰でも自由にこれを
拾っていいのに、これを拾い上げようとしないようなものである。だから奇妙なことだというのである。
これが環境整備に関する多くの人々の認識なのである。盲点中の盲点ということができよう。」
「うつくしいものを美しいと思えるあなたのこころがうつくしい」 みつを
合掌。