「由紀さおりさんと江島会長」
東京エグゼクティブ・サーチの江島会長には同郷(福岡県出身)というご縁もあり、
大変お世話になっている。
*人材協:初代会長(終身名誉会長)
きっかけは2009年、人材紹介業界大不況の年に遡る。
それまで、お名前は当然存じていたが接点はなかった。
私は求人件数が激減して困ったので、新規開拓の飛び込み営業をした。
特に麹町から赤坂に人材紹介会社が集中している。
まずは麹町を攻めよう!! と決めて、朝から近辺の紹介会社に飛び込んだ。
受付で呼び出すのは、とにかく社長だ。
特に不景気な時は社長に会わないと求人はGETできない。
結局、この日だけで5人以上の社長に会えた。
飛込みだからアポイントは取っていない。
しかし、飛び込みでも「断わりにくい飛び込み手法」を身につければ社長に会える。
江島会長の場合は、秘書の方にこのように言った。
私:「人材協の岩田さんの紹介で参りました武谷(たけや)です。」
*当然紹介などされてない。岩田さん、済みません。
江島会長は接客中だったが、奥の会長室から声が聞こえた。
会長:「は?岩田さんの紹介? わかった。
お会いするから、ちょっとお待ちいただいて。」
秘書:「江島がお会いするそうですので、済みませんが少々お待ちください。」
間もなくお客様がお帰りになり、私は会長室に案内された。
私:「どうもはじめまして。ご挨拶が遅くなりました。
武谷(たけや)と申します。
いつも岩田がお世話になっております。」
会長:「たけやさん?初めてですか?
岩田さんのお知り合いで?
こちらこそお世話になっております。
えしまです。」
話はここから延々3時間続いた。
江島会長の数々の武勇伝を伺い、大変おもしろい豪快な方だと思った。
ご年齢は私の父より上だが、とにかくお元気で若々しい。
ちょくちょくお誘いいただき、飲みに行くようになったのはそれからだ。
3度目ぐらいの会食の日に、会長がおっしゃった。
会長:「武谷(たけや)さん、今日はカラオケに行こう。」
私:「ありがとうございます。是非宜しくお願い致します。」
そして、あるスナックと言うかクラブに到着した。
会長:「武谷(たけや)さん、今日はラッキーだよ。
今日は、由紀さおりさんが来るらしいよ。」
私:「へー、ここにですか?」
会長:「うん、時々来るんだよ。
私は由紀さんと知り合いだから紹介してあげるよ。」
30分ぐらい待っていたら、本当に由紀さおりさんがお越しになった。
多分後援会の偉い方々とご一緒だったと思う。
コンサート後の打ち上げかな?
小じんまりしたお店なので私との距離は4~5メートル。
さすがに大歌手の前でカラオケを歌うのははばかられ、しばらく様子を見ていた。
後援会の人ががんがん歌った後に、ついに由紀さおりさんが自分の歌をカラオケで
唄ってくださった。
子供時代に聞いた「夜明けのスキャット」や「手紙」など、周囲の方々のリクエストに応じて
名曲を生で聴けた。
軽く唄っているけど、やっぱりうまい。
聴き惚れていたら、江島会長がおっしゃった。
会長:「武谷(たけや)さん、紹介するから名刺を用意して。」
私:「ありがとうございます。」
江島会長は77歳にして、初対面でも怖いものなしで名刺交換しまくる。
これが生涯営業マンの姿だと思い、私も安い名刺を配りまくった。
会長:「それじゃ由紀さん、一緒に写真を撮りましょう!!」
江島会長は、いつもデジカメを持ち歩き、会った人との写真を撮りまくり、
その写真を有難いことに整理して郵送してくれるのだ。
このマネさと大胆さとの両方を持っているのが、ホンモノのコンサルタントだ。
この時は、由紀さおりさんと両手を取り合って笑顔満面の写真を撮っていただいた。
私より10歳以上年上なのに、近くで拝見しても大変美しかった。
あの透明感と優しさのある癒し系ボイスと、とてもやわらかい手の感触が残っている。
その後、私の下手なカラオケにも手拍子までいただき恐縮した。
ここで会長から恐ろしい提案をされた。
会長:「由紀さんはね、とてもファンサービスがいいんだよ。
あれほどの歌手が自分の歌をカラオケで唄わないよ。
武谷(たけや)さん、デュエットしたら?」
私:「えー!! 会長がデュエットされてください。
私は恐れ多くてできません。」
今思えば、「デュエットしてください。」 と言えばよかったが、後援会の人でも
誰もしてないのにそこまでは・・・・・。
由紀さおりさんが、最近世界で大ブレークしているというニュースを見て嬉しく思う。
やはり、ファンを大切にする姿勢が大ブレークにもつながったと思う。
江島会長から送っていただいた由紀さんとの写真は、いつもPCの前に飾っている。
「あの2009年の大不況を忘れるな!!」 という意味も込めて。
会長は、「武谷(たけや)さん、九州のご両親に送りなさい。」 と2枚ずつ送っていただいた。
頭が下がる。
江島会長、由紀さおりさん、誠にありがとうございました。
最近、由紀さんがインタビューされている時のコメントを聞いた。
由紀さん:「40年以上も唄っていると、こんなこともあるんですね。」
「いちずに一本道 いちずに一ツ事」 みつを
合掌。