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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「リクルートなんかに入って何するんだ?」

「リクルートなんかに入って何するんだ?」
 
私の就職活動の話だ。
 
4年生になったらゼミだけが必修で、あとは就職活動か公務員試験勉強となる。
 
卒論もない楽勝大学だったので、ほとんど大学に行かずに卒業できたのだ。
 
真面目で人柄は抜群だが保守的な学生が多かった。
 
法学部生240人中半分は地方公務員試験を受験するという驚くべき文化。
 
従って、就職活動に熱を入れる学生は半数程度だった。
 
学部内の就職人気ランキングも、都市銀行(合併前のメガバンク)、生損保が上位であり、
 
大学からは1社1人枠と決まっていた。
 
だから、都市銀行13行と生損保20社で、だいたい30人枠だ。
 
学部内でこの枠の取り合いになる。
 
メーカーは福岡に出て行かなければ熊本には採用窓口は無かったので、
 
メーカー志望の学生は大変だ。
 
商社は日商岩井が説明会に来たが、リクルートのようなはじけた奴らで学生はドン引きだった。
 
結局、柔道部の主将が先輩のコネで三菱商事に入った。
 
あとは、第一生命と出光興産の先輩が説明会に来た。
 
ここの先輩とはウマが合った。
 
リクルートに入らなかったら、この2社のどちらかにお世話になったと思う。
 
前置きが長くなったが、学生の就職枠を牛耳っていた商法専門のU教授というヤツがいた。
 
親友の磯田君は、気は優しくて力持ちでいつも私の事を心配してくれた。
 
磯田君のノートや模範解答集のおかげで留年せずに卒業できた。
 
磯田:「武谷(たけや)は、優(A)の数が4つしかないし、体育会部活にも入っていないから
    就職活動は苦労するよ。
    この際、就職に強いU教授のゼミに一緒に入ろうよ。」
 
私:「うん、苦労するだろうね。
   でも悪いけど教授の力を借りて就職したいとは思わないよ。
   俺は自分でやれるところまでやってみるよ。
   就職活動だけは真面目にやるよ。」
 
結局私は民法専門の温厚なM学部長のゼミに入った。
 
当時の田舎では最も早い学生で内定するのが7月だった。
 
表向きの就職活動解禁日は4年生の10月1日、内定解禁日は11月1日だった。
 
しかし、私が勝手に会社訪問を始めたのは4月初旬だったと思う。
 
熊本にある銀行や生損保の支店に片っ端からアポイントを取って訪問した。
 
どこに行っても、「今年は君が初めてだよ。」 と言われた。
 
しかし、真面目な金融系の人たちと、パチンコしかやってない私との波長が合うわけがない。
 
ことごとく好感触は得られなかった。
 
しかし、リクルートの採用担当の先輩とは波長が合った。
 
この先輩もマージャンばかりやって留年したような人だった。
 
本質は真面目そうだけど、話はざっくばらんで共感できる。
 
一緒に働いてみたい兄貴みたいな人だった。
 
そんなご縁から7月半ばにリクルートに内定した。
 
私の下宿は民間企業就職を目指す学生の集会場のようになっていたが、
 
他の友達はまだ内定していなかったので、私はしばらく内定したことを公にしなかった。
 
「武谷(たけや)、最近急に会社訪問をやめたみたいだけど、どこかに決まったのか?」
 
と聞かれるのでヤバイと思って実家に帰った。
 
私が実家でだらだらしていたら、磯田君から電話がかかってきた。
 
高校は違うが実家も近いのだ。
 
磯田君:「武谷(たけや)、どこかに内定したのか?」
 
私:「うん、結局リクルートに決まった。磯田は?」
 
磯田君:「俺も野村證券に内定した。
      でも、みんなを刺激したくないから実家に帰って来たよ。」
 
私:「同じだね。じゃあ二人で静かに飲もうか?」
 
このような話になった。
 
飲みながら磯田君が変な話を切り出した。
 
磯田君:「俺がお世話になったU教授と飲むんだけど、武谷(たけや)も一緒に行こうよ。」
 
私:「え、なんで俺が一緒に?」
 
磯田君:「力のある人だから会っても損はないと思うよ。一度面識を持った方がいいよ。」
 
私:「うん、あまり乗らないけどいいよ。」
 
こんな話になって、ある日、U教授の部屋で3人でウィスキーを飲んだ。
 
ボトルが空いて酒が回って、そろそろ失礼しようかと思った時だった。
 
U教授:「ところで、君はリクルートなんかに入って何をするつもり?」
 
私は、この言葉で一瞬にして酔いが覚めた。
 
「仕事するつもりに決まってるだろう!!
やっと本音が出たな、このオールドエコノミーのカチカチ頭ヤロー!!」
 
さすがに磯田君がいたので喧嘩はしなかったが、急に雰囲気が悪くなった。
 
結局、U教授が自分のゼミ学生を紹介した会社の大半が吸収合併されたり倒産している。
 
象徴的なのは、サッカー部の主将がU教授の紹介で海運会社に入ったそうだが、
 
彼に会った友人は、
 
「新卒なのに腕に労働組合の腕章を巻いていた。主な仕事は組合活動だと言っていた。」
 
と驚いていた。
 
仕事で一人前になる前から組合活動かよ?
 
U教授、「大きくて歴史があれば良い会社」 というものではないのですよ。
 
もう少し実学で経済を勉強すれば良かったですね。
 
貴方の虚栄心は満たされても、貴方の勉強不足のせいで犠牲になるのは学生ですよ。
 
今の教授連中は少しはましになったか?
 
リクルートOB(日和田さん)が就職課長をやっていると聞いたけど、
 
昔のように尖がって頑張ってよ。
 
http://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/2009/news870.html
 
後輩たち、権威主義のつまらない大人にだまされるなよ。
 
俺が就職課長やるのが一番いいと思うけどな。
 
大学が受け入れないだろうけどね。
 
「花はただ咲く ただひたすらに」   みつを
 
合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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