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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「あるべき退職交渉」

「あるべき退職交渉」
 
昨晩、内定中のキャンディデートのAさんから電話があった。
 
Aさん:「慎重に考えた結果、武谷(たけや)さんから紹介された
     ●●社にお世話になりたいと思います。」
 
私:「そうですか?
   よく決断されましたね。
   ありがとうございます。」
 
Aさん:「はい、やりたい事に思い切ってチャレンジしたいと思います。」
 
私:「そうですか。
   しかし、Aさんは今の会社を辞められますか?
   大変そうですよね?」
 
Aさん:「その点なんですが、私も大変だと思います。
     その辺もご相談したいのですが。」
 
私:「これまで退職された人たちは、どんな辞め方をされましたか?」
 
Aさん:「そうですねー。
     とにかく辞めたいと言って退職した人が多いです。
     中には、実家の商売を継ぐという理由で辞めた人もいます。」
 
私:「なるほど、とにかく辞めますと言って通用しますかね?」
 
Aさん:「進行中のプロジェクトもあるので、なぜこのタイミングなのかと聞かれると思います。
     来年プロジェクトが終わってからでもいいじゃないかと。
     担当案件が多く後任もすぐには見つからないでしょうし、かなり厳しい交渉になると
     思います。」
 
私:「そうですよね。
   一方で●●社も永遠に待てるわけではないので悩ましいですね。」
 
Aさん:「私も実家が商売をやっているので継ぐという理由は言えるのですが?」
 
私:「それも、なぜ今このタイミングで継ぐのかと言われそうですね?」
 
Aさん:「親の体調が悪いとか特別な理由がないと難しいでしょうね。」
 
:「Aさん、私の場合は過去の転職は全て転職先を前の会社に言って辞めたんです。
   だから、今も過去の会社の人たちとお付き合いできているという部分はあります。
   私の場合は同業界内での転職でしたから、多少デリケートな部分もありましたが、
   ウソをついて転職するのも気分が悪いでしょう?」
 
Aさん:「はい、確かに気分は良くないですね。」
 
:「Aさんはウソをつくような人ではないと周囲から思われているでしょう?」
 
Aさん:「はい、多分そう思われています。」
 
:「でも、Aさんは一度言い出したら意志を曲げる人ではないとも思われているでしょう?」
 
Aさん:「はい、多分そう思われています。(笑)」
 
:「だったら本当の事を話して辞めたらどうでしょうか?
   Aさんの意志が固いことがわかれば、今の会社も無理に止めることはできないでしょう。
   その方が気持ちいいですよね?」
 
Aさん:「なるほどー、今のアドバイスも参考にして、私なりにちゃんと考えてみます。」
 
私:「そうですね。
   Aさんらしい辞め方を考えてみてください。」
 
こんなやり取りを30~40分して電話を切った。
 
退職交渉のやり方は、キャンディデートの性格、在籍企業のカルチャー、転職先企業との競合関係
などケースバイケースで色々違うと思うが、理想を言えば本当の事を話して辞めるのに
越したことはない。
 
前の会社でただ無機質に仕事をしてきたわけではなく、仕事をしながら人間関係をつくってきた
わけだから、転職後にどこで会っても、「よー久しぶり!! 元気か?」 と、わだかまり無く
言いたいよな。
 
「ほんとうのことがいちばんいい」   みつを
 
合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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