「ハローワークでもKPIやってます。」
昨日のブログに書いた「ハロワ」という本からの抜粋ですが、
ハローワークでもKPIを導入して、就職相談員の人事評価に利用しているんですね。
もっと個人任せでだらだらやってるのかと思っていました。
公務員に対する私の偏見ですかね?
本の中にこんな文章が出てきます。
先輩相談員が新人の主人公に本音を話します。
「仕事の大部分は測定できる。ハローワークだってそうでしょ。
紹介件数、相談件数、就職率、指名率、全部測定できる。
測定できれば序列化できる。
就職も結局、求職者を序列化して、ふるいにかける作業だと思う。
年齢、性別、学歴、資格。
面接にこぎつけたら、積極性、判断力、折衝力がどう、とかね。
容姿もしっかり序列化される。見てくれはいいに越したことない。
そんなこと求人票に書いてないけど、だれでも知ってるよね。
だって、世の中がそうなんだから。
見てくれはいい方が、学歴は高い方が有利。
高い学歴を身につけるには、裕福な家庭に生まれた方が有利。
ベタだけどそれが現実で、現実がもろに反映されるのが、就職の現場だよ」
この先輩の言葉を受けて、主人公は頑張ります。
「奈美が言ったとおり、仕事の大部分は測定できる。
測定可能な数値の向上を目標にすえれば、やるべきことは自ずと決まる。
カウンターにつくと、相談員という役割になりきれた。
必要に応じて笑うこともできるし、知っているのに知らないふりをすることもできる。
仕事に対するとり組みの変化は成績にもあらわれ、
1月に目覚しく伸びた各項目の数値は、二月にとうとう3位になった。
回覧していた職員たちが、ちょっとどよめく。」
単純にKPIに忠実に動くだけではなく、
「必要に応じて笑うこともできるし、知っているのに知らないふりをすることもできる。」
という部分は、下手な民間の人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)より、
ハローワークの就職相談員の方が面談スキルが上手かもしれないですね。
登録者を選ぶ民間よりもハローワークの方が様々な求職者に対応しています。
転職活動どころか対応に困る人も少なからず相談に来ます。
それだけ多様な対応力が求められます。
そこで、昔の大先輩カウンセラーの金言を思い出しました。
「私たちの仕事で大切なのは、自分自身がいつも平和で静かな気持ちでいることです。」
これがなかなかできないでしょう?
目先の目標に追われて、目先の仕事に追われて、知らない内に心がざわざわします。
28年やっても同じかよ。
本当に進歩がないね。
「ひとつの事でもなかなか思うようにはならぬものです
だからわたしはひとつの事を一生けんめいやっているのです」 みつを
合掌。