「転職者の痛みを知れ」
我々は、自分が入社したことがない会社を他人様にご紹介してお金をもらっている。
食べた事が無い食物を他人様に売っているのと同じだ。
だからせめて、「転職者の痛みを知れ」、痛みは100%わからなくても、
わかろうとする姿勢が無い人間にこの仕事をやる資格は無い。
これは、リクルートの大先輩に言われた言葉だ。
我々がどれだけヒアリングしても、何度社長に会っても、
実際に入社してみないとクライアントの職場実態はわからない。
「何となく良さそうな会社」というレベルで、キャンディデートに紹介しているに過ぎない。
その点、入社実績がある会社は比較的安心してキャンディデートに紹介できる。
入社された人材には、入社後に、「実際どうですか?」 というヒアリングを必ず入れる。
そのヒアリング結果を次の紹介に活かす。
幸い、直近1年間に入社された方の状況を確認すると、退職された方はいない。
だんだん定着率の良い会社に紹介実績が固まってくる。
逆に、離職率が明らかに高いとか、明らかに評判が悪い会社とはそもそも契約を交わさないし
交わしても後から悪い事実が判明すれば、すぐに紹介活動を停止する。
だから、100社程度と契約はしていても、真面目に紹介しているのは10社程度だ。
今日も未取引の人材紹介会社の方から、丁重な求人依頼のお電話をいただいた。
「評判を聞いて電話したのですが、たくさん採用しなければいけないので協力してほしい。」
私:「失礼ながら御社の評判は悪い。御社の社員の平均在籍月数はどれぐらいですか?」
「事業部によって違うので一概に言えない。」
私:「申し訳ないが、クライアントは選ばせていただいている。
また原則、社長自ら採用にからみ、直接やり取りさせてもらえなければ取引しない。」
「わかりました。それでは仕方ないですね。」
私:「済みません。将来ご縁があれば宜しくお願い致します。」
このようにお断りした。
★以下抜粋。
『安岡正篤 中村天風 の人望学』 プレジデント社
「君子は義にさとり、小人は利にさとる」
「利に放(よ)りて行えば怨(うら)み多し」 とは、『論語』 の中に出てくる言葉です。
皆が利を求めて行動するようになると、お互いに怨みあい、必ず人間関係、人間の生活、
人間の事業というものを壊してしまう。
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最近、貧富の格差に憤る人たちが世界中でデモを行っている。
お金は大切なものだが、富の奪い合いが引き起こすものは怖い。
お金という化け物と付き合うのは怖い。
「にんげん我慾のかたまり にんげんのわたし」 みつを
合掌。