「使い分けられる人材紹介会社」
人材紹介会社やサーチファームは、クライアントからもキャンディデートからも
使い分けられるようになった。
それが加速している。
先にクライアントが使い分けを始めて、今はキャンディデートも多くの人が使い分けている。
当然ながら、人材紹介会社やサーチファームの強みが何か? によって使い分けている。
だから、何に強いエージェントなのかを明確にすることが大事なのだ。
大手人材紹介会社のように、「品揃えの豊富さでは負けません」 というデパート型なのか?
「○○製の品物にこだわる方なら、絶対にご満足いただけます」 というブティック型なのか?
レイヤーは、あくまでブランド価値を大事にするラグジュアリー系で押し通すか?
ユニクロ、ZARA、H&M などの 「安い割には良かろう」系を目指すのか?
大手人材紹介会社は、急拡大と逆宣伝効果によってデパートとしてのたたずまいを失い
自らスーパーマーケットとなった。
その証に、一人当たりの成約単価が一昔前の150万円程度から100万円近くに下落した。
昔は敷居が高くて寄って来なかった若者でにぎわうようになり、逆に、大人でアッパーミドルの
登録比率が低下した。
現在、大人材紹介会社は、成約単価を上げるために、昔のアッパーミドル層を一生懸命
呼び戻そうと努力している。
アッパーミドル層は仕事の品質を重視し、両面型(一気通貫型)で対応する方針に転換した。
一方、ブティック型エージェントも同じような分野のブティックが乱立し銀座や青山のような状態。
本物のブティックしか生き残れない状況になってきた。
本物って何だ? と聞かれれば、それは、「ブランド価値=コンサルタントの質」 に尽きる。
採用・教育・マネジメントをしっかりやっている、要するに経営力のあるブティックは、
コンサルタントの質で生き残れる。
ブティックは間違っても不特定多数の視聴者を相手に、TVCMなどやってはいけない。
ラグジュアリーブランドの広告が、その手の雑誌でしか目にされないのと同じだ。
マスメディアで宣伝する事自体が、自らの付加価値をおとしめる結果となる。
誰でも買えると思われたら、ブティックはオシマイだ。
ひっそりと口コミ紹介で勝負する評判ビジネスだ。
「知る人ぞ知る名店」 「一見さんお断り」 の世界だ。
当社のクライアントの中でも、頑なにコンサルタントの質にこだわり、
少人数ながら良い仕事をしているブティック型のエージェントがある。
さりげなく、有名企業のCEOなども紹介している。
このブティック型エージェントも、好景気の時はコンサルタントを20名近くまで増員したが、
やはり頭数が増えると、どうしても質が低下すると言う。
現在は元の10名程度に戻して、コンサルタントの質の維持・向上に努めている。
最終的に生き残る道は二つ。
1 明らかに優秀な人材をセグメントして紹介してくれる。
*コンサルタントの質も給与水準も高くキープする。
2 紹介される人材レベルは求人メディアとあまり変わらないが、
選考の手間が省けて成功報酬制だから使う。
*コンサルタントは普通の人でいいが、給与水準は抑制してローコストオペレーションの
仕組を確立する。
このどちらかだ。
さあ、どちらを選択するのか?
いずれにしろ、サービスや価格が多様化する事は、クライアントやキャンディデート
にとっては良い事だ。
この流れは誰にも止められない。
偉そうに語るのはいいが、さあ私はどうしよう?
生き残るのは大変だね。
「アノネ ひとのことじゃないんだよ じぶんのことだよ」 みつを
合掌。