「成功と失敗の分かれ目」
私は成功者でも失敗者でもないと思っています。
まさに、「ザ・凡人」 ですし、貯金もゼロ。
住宅ローンも1000万円残っています。
私の貯金通帳を見たら、あまりの残高の少なさに驚きますよ。
それでも好きな仕事をご機嫌にやって、好きな人と好きな酒を飲んで、大好きな旅行もして、
良い家族もいてくれて幸せなので満足です。
私は別に成功していないのに、よく人に聞かれることがあります。
「成功の秘訣は何ですか?」
今日も聞かれました。
こんな時、答える文句は決まっています。
「一つの事を続けることです。」
流行り言葉で、 「エッジを立てる」 とか言いますよね。
マーケティング的には、 「ニッチ市場に特化する」 という意味で使っているのでしょう。
ただ、幾ら戦略が正しくても、継続力が無ければ全く意味が無いのです。
逆に、一つの事をやり続ければ自然とエッジは立ちます。
残念ながら、この辺の事を途中から勘違いしてしまう社長さんが多いです。
「人材紹介業は誰でもできる」
「人材紹介業だけでは格好悪い」
「何か新しいビジネスを始めなければ」
これが完全に失敗の元です。
先日もある人材紹介会社の立派な社長さんに質問されました。
社長:「武谷(たけや)さん、色々な会社を見て来られたでしょうが、何か今後の教訓に
なるような事を教えていただけませんか?」
私:「私に教訓を語る資格はありませんが、あえて申し上げるとすれば、
人材紹介業をあくまで基幹事業として継続される事だと思います。」
社長:「どういう意味ですか?」
私:「ちょっと軌道に乗ってチヤホヤされると、人材紹介業以外の事業に手を出す
経営者がいますが、ほぼ100%失敗しています。」
社長:「どうしてなんでしょうか?」
私:「新しい事業をやって成功した方が格好いいからだと思います。
もちろん、企業のニーズは人材だけではないです。
人、もの、お金、情報、様々な経営ニーズがあります。
ただ、全てのニーズに1社で応えるのは無理です。
ですから、自分の会社の基軸は何かを常に確認して、エッジを立てるとか言ってる前に
深く穴を掘らないといけないんですよね。」
社長:「なるほどー。
耳が痛いですが、大変勉強になりました。
私もネットビジネスへの参入を模索したことがあります。
でも、あの時止めてよかったと思っています。」
私:「そうですか? ご理解いただけて良かったです。
誰でも 『企業は人なり』 と言いますよね。
本当にそうだと思っているならば、経営資源の中で最も重要な『人材』を事業の基軸に
していることを誇りに思わないといけないですよね。」
社長:「まさに、そうですよね。
いやー、本質をズバリとご指摘いただき、ありがとうございます。」
私:「私は言っている事とやっている事とが違う人が失敗者だと思っています。
逆に、私が尊敬する栢野さんのように、 『言行一致』している人が、
人生の最後には一番の成功者になると信じています。」
「ひとつの事でもなかなか思うようにはならぬものです
だから わたしはひとつの事を一生けんめいやっているのです」 みつを
合掌。