「リクルートが全ての人材紹介会社を代理店にしてしまう。」
全くリクルートという会社は集金マシーンのような恐ろしい会社だと昔から思っている。
今回は、「リクナビNEXTエージェントNetwork」 の目的は明確だ。
ご存知の通り、直販部隊の子会社であるリクルートエージェントには、
そこそこ稼いでもらって、とりこぼしたマーケットは他の人材紹介会社に稼いでもらおうという事だ。
そうすれば、直販部隊に過大な販売管理費を投入せずに、無傷で市場シェアを拡大できる。
リクルートエージェントの市場シェアが30%だとすれば、中期的にはプラス10~15%程度の
シャア拡大ができると予測しているのではないか?
不景気になっても自グループのリストラは不要であり、提携している人材紹介会社が勝手に
販売管理費を調節(リストラ)してくれる。
大変便利の良い調整弁であり、囲い込み方法である。
このリクルートの代理店商法は、今に始まった話ではない。
リクナビ、昔はB-ing、とらばーゆ等の自社採用メディアを武器に、数多くの代理店網を
形成してきた。
例えば、特約代理店はマージンが正価の35%とか、普通の代理店なら30%とか。
50万円のB-ingの求人広告を売っても、代理店に入るのは15~17.5万円だった。
クライアントは当然10%程度の値引きを要求してくるが、それは代理店が負担する。
その場合、代理店の粗利益は13.5~15.75万円に圧縮される。
こんな薄利では、代理店の経営状態は常に苦しい。
毎日飛び込み営業をやっても年収はリクルート直販部隊の社員の半分以下。
リクルート直販部隊の社員は、新人時代は新規開拓もするが、入社半年後ぐらいからは、
先輩から引き継いだ大口顧客や、アルバイト営業マン(A職)が汗まみれになって開拓した
お客さんを引き継ぎ、四半期で数千万円の売上を軽々と上げる。
一方の代理店は永遠の自転車操業が続くのだ。
私も新人時代に代理店での営業を2年経験したので、その厳しさが多少はわかる。
元々の原価率は30%程度の商品だったと聞いていたので、リクルートは代理店に30%
払っても、何もしないで40%の粗利益が入る仕組みだ。
そんな事も知らないで、雨も日も風の日も寒い日も今日のような蒸し暑い日も、
バカみたいに毎日飛び込み(ビル倒しと呼んでいた)をして売っていたのだ。
それもリクルートの直販部隊や他の代理店と仁義無き戦いをしながら。
首都圏だけでも1000人ぐらいとバッティングしながら、同じ商品を売っていたのだ。
バッティングすると、リクルートの直販部隊は、
「代理店と取引するより、私たち直販と取引した方がいいですよ。
代理店は提案力も無いし、いろいろな部分で融通がききませんから。」
というようなトークを平気で使い、尚且つ、代理店よりも値引きするケースもあった。
本来、代理店を育てるべき版元が、そんなエグイ営業をしていたのだ。
このような仕打ちをされて、昔から怒っていたのが、エン・ジャパンの越智会長だ。
「アノヤロー、いつかやってやる!!」
という気持ちを込めて作ったのが、「en」 エン・ジャパンである。
これで一気に長年苦しんだ代理店経営から脱却したのだ。
この怨念、若輩ながら多少は理解できる。
越智さんの正反対で穏健派はクイックの和納社長らしい。
大先輩に聞くところ、仏様のように人間ができた温厚な人だとの事。
長年リクルートの代理店でありながら、ずっと友好関係を継続されている。
取締役にも、見たこと、聞いたことがある大先輩のお名前が・・・・・。
クイック=919=9月19日 というのは、元リクルートコスモス社長の池田さんの誕生日だと聞いた。
池田さんは、和納社長の元上司だったから、それを社名にしたと聞いている。
池田さんは大変人望の厚い人だと聞いていたが凄い絆だ!!
まあとにかく、余計な事を書きすぎて、俺は消されてしまいそうだ。
ともかく、今回の「リクナビNEXTエージェントNetwork」 には、リクルートの代理店形成の
DNAが組み込まれていることを知った上で使えばいいし、使いたくなければ使わないで
済むように自社でキャンディデートを集客する手法やブランドを確立するしかない。
明日、私が生きていたら、リクルートの子会社育成・取り込み手法に関して言及する。
背中が寒くなってきた。
リクルートOB・OGなら誰でも知っていることだけどね。
「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる うばい合えば憎しみ わけ合えば安らぎ」 みつを
合掌。