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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

模擬面接の限界。

「模擬面接の限界」
 
最近、模擬面接の限界を感じた事があります。
 
初回面談の時に、 
 
「あれっ? この方は私の質問の趣旨を十分に理解されてないな。
それから質問と関係ない事をしゃべりすぎだな。」
 
と思ったので、その場で指摘したんです。
 
前の会社を退職されてから数ヶ月経過しているのに転職できていないのも、
 
この辺に原因があると思いました。
 
職務経歴は一貫性があってきれいですし、明るく爽やかな雰囲気の人なので、
 
面接さえ無難に乗り切れば何とかなる、何とかしてあげたいと思いました。
 
面接での質疑応答のポイントに関して、わかりやすく説明したつもりなのですが、
 
私の説明が悪いのでしょう。
 
どうも心からご理解いただけてない様子です。
 
私に怒られているように感じたかもしれません。
 
「なるほどー」 とか、「わかりました」 とか、おっしゃるのですが、
 
どうも真意が通じていない感じなんです。
 
しかし、初対面の私に突然、 
 
「貴方は私の質問の趣旨を理解しないまま答えていますね。」
 
と言われて頭が混乱しているのかな? 
 
時間をかけて、じっくり考えてもらえば少しはわかってもらえるかな? 
 
と考えて、その日はご帰宅いただきました。
 
私は、この段階で求人企業にご紹介すべきかどうか悩みましたが、
 
ご経歴はぴったりなので、思い切ってご紹介しました。
 
しかし、結果としては後悔しています。
 
求人企業にご紹介してから面接までに、3週間程度の時間がありましたので、
 
その間に「質疑応答の模範的な例」を作成し、ご本人にお送りして事前準備を
 
していただきました。
 
「ありがとうございます。助かります。」 とは、おっしゃるものの不安は残りました。
 
そしてついに面接当日を迎え、私は同席して質疑応答を聞いていたのですが、
 
結果としては、初めに私がお会いした時と大きな違いは無く、
質問の趣旨を十分理解されないまま、関係ない事をたくさん話してしまう状態で、
求人企業の面接官の方の時間を無駄にしてしまいました。
 
このような方の場合は、面接の模範解答など教える前に、ご本人自身が本当に
 
コミュニケーション上の課題があることに気づいていただかなければ意味が無いですね。
 
もっと厳しく申し上げると、コミュニケーション上の課題があると感じた段階で、
求人企業にご紹介すべきではないです。
 
コミュニケーション力以外の職務経歴上の応募条件は満たされているので、
 
何とかなるかもしれないと、ご紹介してしまったわけです。
 
でもそれでは、この仕事は駄目なんですね。
 
当たり前ですが、ご本人はコミュニケーション上手だと思われている方に、 
 
「貴方はコミュニケーションが下手です。」
 
と指摘して、それを本当に自覚していただくのは難しいです。
 
お互いの信頼関係が無ければ、人格否定のように聞こえると思いますし、
 
現実的には時間的制約もあり、その人だけに時間を割くわけにもいきません。
 
でも、私が何もしなければ、この人は今後も面接で失敗を繰り返すでしょう。
 
離職期間はどんどん長くなり、普通に職に就くことができなくなる可能性もあります。
 
気づいていただくためには、ご本人の口から、
 
「あー、自分は相手の言葉の趣旨がわかっていませんでしたね。」
 
と言っていただくまで、コーチングみたいな事を延々とやらなければいけません。
 
しかし、そこまで関われない。
 
俺は一体どうしたらいいんだ?
 
今後も時々電話して様子を聞いてみます。
 
そして、会話の中できっかけがあれば、違う角度から質問をしてみたいと思います。
 
この仕事27年もやっているのに、俺もまだこの程度か。
 
「やれなかった やらなかった どっちかな」   みつを
 
合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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