「クレームの嵐(その1)」
今日からは、「人材紹介コンサルタント」駆け出し時代のクレーム話を書きます。
注:全て実話です。
私は田舎者で、ビジネスとか商売とか言うものを全く知りませんでした。
そのため、お客様(求人企業)とのトラブルも絶えませんでした。
ちょっと書き尽くせないほど常識ハズレな事をやって、
「俺は悪くない。悪いのは約束を守らない客だ!!あいつは男のクズだ!!」と、
社内でも自分の非を認めませんでした。
例えば、お客様(ある会社の取締役人事部長)が、
人事部長:「月末の役員会で決済を取って返事をするよ。」
とおっしゃったので、約束通り31日に電話して、
私:「お世話になっております。
お約束の月末ですので、今からお申込書をいただきに伺います。」
人事部長:「いやー、今日の役員会は議題が多くて君の案件は決済できなかった。」
私:「ちょっと部長、約束が違うじゃないですか!!
月末には決済すると言ったでしょう!!」
人事部長:「だから、議題が多かったと言ってるだろう!!」
私:「議題が多かろうが少なかろうが関係ないですよ。
貴方は男でしょう?
男と男の約束じゃないですか!!」
人事部長:「何をわけのわからん事を言ってるんだ!! こっちは客だぞ!!」
私:「客の前に人間じゃないですか!!
男と男の約束を破るんですか!!」
人事部長:「なにー!! お前じゃ話にならん。
もう二度と電話してくるな!!」
こんな感じです。
そして、帰社した私を待っていたかのように、親会社のリクルートの
敏腕営業所長のKさんから電話です。
営業所長:「お前が武谷(たけや)か!!
お前、○○○社の取締役に何をした!!」
私:「はー? 特に何も。
ただ、先方が男と男の約束を破ったので怒りました。」
営業所長:「このバカヤロー!!
商売の世界ではお客さんが偉いんだ。
あの会社、リクルートと2000万円の取引があるのを知ってるのか!!」
私:「そんな事は関係ないでしょう。
約束は破る方が悪いですよ。」
営業所長:「なにー!! お前なんかじゃ話にならん。
お前の上司は誰だ?」
私:「Uさんです。」
営業所長:「早くUさんに代われ!!」
こんな展開です。
ただ、新人時代の上司(Uさん)が素晴らしい人格者と言うか、
無口ですが大変面倒見の良い方だったので救われました。
他の上司だったら入社後半年以内に辞めていました。と言うより、クビになっていました。
営業所長:「Uさん、一体、武谷(たけや)にどういう教育をしとるんですか!!」
上司:「まあまあ、田舎者の新人だから。
ごめんごめん。何とか治めてよ。」
私:「Uさん、申し訳ありません 。」
上司:「はは、これぐらいの事で気にするな。もっとやれ。」
人生最初の上司が小者じゃなくて本当に良かった。
それぐらい上司の存在は大きなものです。
Uさん、今でも感謝してます。
「おかげさん」 みつを
合掌。