「求人企業のネガティブ情報を、どこまで応募者に伝えるか?」
人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)として、
これは重要なテーマですね。
私は、できるだけ事前にお伝えするようにしています。
ただ、相手の方が次の会社に求める事によって言い方は変えます。
例えば、
「定着率が悪い」 とか、
「ハードワークで深夜残業や休日出勤が多い」 とか、
「パワハラ経営」 とか、
「親会社からの天下りが多い」 とか、
「旧い体質の企業です」 とか、
様々あります。
個人的には、あまりこのような会社とはお付き合いしたくないですが、
その辺は程度問題で、どんな会社にも少なからず問題や課題があります。
だからこそ採用もしているわけですね。
ただ大事なのは、その問題を抱えた会社が、
「現状のままでいい」 と思っているのか?
「現状は問題があるので、改善するために努力している」 という姿勢なのか?
この点だと思います。
更に異なる視点から見ると、我々が問題があると思っている会社が、
応募される方にとっては大した問題ではないこともしばしばあります。
例えば、
1 「定着率が悪い」
これは一般的には問題ですが、最近ご登録いただいたHさんにとっては大した問題ではなかった。
私:「この会社は急成長企業ですが、現状定着率は良くないです。大丈夫ですか?」
Hさん:「今の会社も定着率が悪いので驚きません。
でも、どうして定着率が悪いんですか?」
私:「組織が急激に大きくなって、マネジメント力が追いついていません。
新人の入社後のケアが不十分になっています。
万年管理職不足です。」
Hさん:「じゃあ私が頑張れば早く管理職になれる可能性が高いという事ですね?」
このようにポジティブに捉える人もいます。
2 「パワハラ経営」
これに関しても、Mさんと言う方にとっては大した問題ではなかった。
Mさん:「どんな社風ですか?」
私:「超トップダウン、全て社長の判断で決まります。
社員は社長の方針に従って動くだけです。」
Mさん:「社長に意見できる人はいないんですか?」
私:「意見は述べても、社長に反対できる人はいません。
社長は直接お客様の声を聞いて方針を決めます。
社長自身が全国飛び回って営業に行っています。
365日、24時間、働いています。
だから社員は逆らえません。」
Mさん:「凄い社長ですね!!
私も将来独立したいと思っています。
そんな凄い社長の下で厳しいでしょうが、5年頑張れたら勉強になるでしょうね。」
こんな人もいます。
3 「旧い体質の企業です」
これも、Tさんと言う方にとっては問題ではなかった。
私:「基本的に年功序列で終身雇用を前提とした人事方針で旧い体質の企業です。」
Tさん:「今でもそんな会社があるんですね?
私が前にいた会社は年齢も年功も関係ない。
良く言えば実力主義ですが、悪く言えば大変落ち着かない会社でした。
今度は逆に落ち着いた会社で働きたいんです。
もう最後の転職にしたいんです。」
このような方も、少なからずいらっしゃいますよね?
我々エージェントは一般論で求人企業を見てはいけませんね。
どんな企業にも、今現在働かれている社員の方々がいらっしゃるわけです。
何かをモチベーションにして働いている。
それぞれの企業のモチベーションリソースを探し当て、ご登録いただく方との
タイプマッチングに役立てなければいけません。
「しあわせはいつも自分のこころがきめる」 みつを
合掌。