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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「危ないアポ取り(その6)メガバンクからのクレーム」

「危ないアポ取り(その6)メガバンクからのクレーム」
 
昨日に続き、都市銀行や政府系金融機関の新規開拓をしていた時の話です。
 
当時の住友銀行の人事部長様宛に、新規アポ取りの電話をしました。
 
いつものように何度もつながるまで電話をしたのですが、
 
「今はあいにく離席中です。」 とか、
 
「会議中です。」 とか、挙句の果てに、
 
「一体部長にどのような御用ですか?人事担当の者におつなぎしましょうか?」 
 
と言われるもので、
 
私:「いえ、今回の用件は特別なお話ですので、部長様に直接お話しします。」
 
と言って、部長につながるまでしつこく電話していたのです。
 
決裁権も無い割にプライドだけ高い銀行の人事担当者などに会っても話にならんのです。
 
そんなある日、営業で3社ほど回って、夕方帰社しました。
 
そうすると、営業部長以下みんなが私を待っていたようで、一斉に視線が私に集中しました。
 
先輩:「おい、武谷(たけや)!!
    お前、リクルート本社に住友銀行からクレームが入ったらしいぞ。」
 
私:「なんでですか?」
 
先輩:「お前、人事部長に何度も電話しただろう? 
    『一体、人事部長に何の用だ!!』 という理由らしい。」
 
:「『何の用だ!!』 って、営業に決まっているじゃないですか?」
 
先輩:「人事部長は余程の事が無い限り出て来ない人らしいぞ。
    お前が 『特別に人事部長に話がある。』 と言うもんだから、一体どれほどの用事なのか? 
    もし、単なる営業の電話なら、いきなり人事部長に電話するとはけしからん!! 
    という事らしいぞ。」
 
そこに、鬼マネージャーのSさん 登場。
 
何を言われるかと思ったら、
 
Sさん:「ははは!! 
     ただの営業の電話に決まってるじゃんなー。リクルートもいちいちうるせーな。
     武谷(たけや)にテリトリー荒らされて嫌がってるだけだぜ。全くせこいな。
     会いたければ、自分たちが人事部長に会えばいいじゃん。
     あいつら殿様商売でアグレッシブな営業してないんだよ。」
 
私:「そうですね。実はそこが狙い目なんですが。」
 
Sさん:「おーい、みんな聞いてくれ!! いいか、聞こえるか?」
 
みんな、一瞬沈黙。
 
Sさん:「あのな、またリクルートや住友銀行から、武谷(たけや)宛に電話がかかってくると思うが
     武谷(たけや)は、今日は営業で直帰すると答えてくれ。わかったな!!」
 
Sさん、営業部長のHさんにも念を押して、
 
Sさん:「Hさん、ご迷惑をおかけして済みませんが、それでいいですよね?」
 
H部長も、黙ってうなずく。
 
という事で、さすがに住友銀行はガードが固いと言うか? 頭が固いと言うか?
人事部長もただの人間じゃねーか。 
 
それにしても、リクルート本社の馬鹿どもが!!
営業既得権意識丸出しで、牙を抜かれたオカマ営業マンが威張るんじゃねー!!
 
当時のリクルートは、多くの営業所や子会社、代理店さんに同じ商品を売らせ競合させていたので
このようなグループ内バッティングが頻発してました。
 
圧倒的な商品力で社外に競合らしい競合会社が無かったので、当時の経営陣は、
商品力にあぐらをかいて営業力が低下し、お客様の取りこぼしが起こるのを防ぐために、
わざとグループ内でお客様の争奪戦をやらせたわけです。
 
確かにこのグループ内競合によって営業力は鍛えられました。
私も多少は足腰が鍛えられたと思います。
 
しかし、結局はお客様を混乱させクレームになる事が大変多かったのです。
 
社内の課題のツケをお客様に払わせた面は否定できません。
 
当時の経営陣に成り代わり、お詫び申し上げます。
 
誠に申し訳ございませんでした。
 
「悠遊
空を見上げてごらん ゆったり悠遊 
雲もゆうゆう 鳥も悠遊 小さな自分がわかるから」   みつを
 
合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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