「地頭よりも吸収力」
求人の採用要件で、「地頭の良い人」 という表現があるが、
私は生理的にこの「地頭」という言葉が嫌いだ。
誰が使い始めた言葉かは知らないが、いつの間にか定着している。
リクルートが発信源か?
「地頭の良い人」 という言葉の裏には、
「私たちの会社は地頭の良い人たちが揃っているエリート集団よ」
という嫌な雰囲気が漂っている感じがする。
では、「地頭が良い」とは、どんな尺度で測るのだろう?
学歴? テスト? それに加えて面接での応答?
それで実際に「地頭が良い人」ばかり採用してうまく行くのか? ということが今日の問題である。
私の経験則では、「NO」 だ。
確かに本社管理部門や企画系セクションでは、「地頭が良い人」 を多く目にする。
職務適性上、必要なのだろう。
一方、お客様相手の営業現場ではどうだ?
過去のトップセールスとかMVPの常連を思い出してみよう。
そうすると、必ずしも「地頭の良い人」たちばかりではないことに気がつく。
トップセールスに共通して言えるのは、「吸収力が高い」 ということだ。
吸収意欲が高くなければ、吸収力も低くなる。
吸収意欲はどこから来るかと言えば、好奇心や負けん気や自己成長欲求だ。
目標達成意欲、一歩踏み込んで行動する勇気、他人の成功体験から学ぶ謙虚さや貪欲さ、
少々の失敗では折れない心の強さ・明るさ。
このようなものを持っている人が伸びる。
もちろん「地頭の良い人」は学習能力も高い人が多く、ニアリーイコールで
「吸収力が高い人」とも言えるが、あまりに順調な人生を歩んできた人は
「勇気・謙虚さ・貪欲さ・折れない強さ・明るさ」という観点から見ると欠ける面もある。
アルバイト学生も、俗に三流大学と言われるような大学に在籍している学生の方が
即戦力だったりする。
声が大きく元気が良い、フットワークが良い、理屈っぽくなく
お客や他の従業員とのコミュニケーションも上手。
わざわざ「地頭の悪い人」を採用する必要はないが、学歴やテストに偏重しない採用が大切だ。
昔、「男は度胸、女は愛嬌」 と言われたものだが、結構本質だと思う。
ただいるだけで
「あなたがそこに ただいるだけで その場の空気があかるくなる
あなたがそこに ただいるだけで みんなのこころがやすらぐ
そんなあなたに わたしもなりたい」
みつを
合掌。