「業界の安定は共同の責任」
松下幸之助さんの言葉をお借りします。
「どんな商売でもそうでしょうが、お互いのお店が力強く発展、繁栄していくためには、
そのお店の属している業界全体が常に健全で、世間の人々から信用されているということが
大事だと思います。
「あの業界は信頼できる業界だ。どこの店に行っても、よい品を適正な値段で売っているし、
お客に対するサービスもいい。だから安心して買い物できる」といわれるような業界であってこそ、
お客様にも喜ばれつつ個々のお店の商売もほんとうに繁盛するのだといえましょう。
そのためには、その業界に属する店がそれぞれに健全で、お客様に信用されるものでなければなりません。
もしそうではなく、業界の中に不健全な店が多ければ、「あの業界はダメだ。信用できない」
ということになって、業界全体としても共同の大きな損害を受けることになってしまうと思うのです。
そういうことを考えてみますと、お互いに商売を進めていく上で、自分の店を健全なものにしていくことが
まず第一に大切なのはいうまでもありませんが、それと同時に、他のお店ともうまく協調して、
業界全体の共通の信用を高めるということも配慮していかなければならないと思います。
もちろんそうはいっても、他のお店と仲よくすることのみにとらわれて、互いに競争するという姿が
生まれてこないということではいけません。
そういう競争のない状態からは、業界の進歩、発展というものはやはり生まれてこないでしょう。
ですから、お互い、正しい意味での競争、秩序ある対立というものは大いに行わなければなりませんが、
その対立、競争の中に調和を見出していく。
つまり対立しつつ調和することによって、自他ともの健全化を考え、同時に業界全体の信用を高める
ことを考えていくことが肝要だと思います。
そのように業界全体が世の人々から頼りにされることが、新しい時代における業界のあるべき姿である。
またそういう姿をお互いが協力して実現していくところに、商売人としての一つの尊い務めもあると思うのです。」
PHP文庫 「商売心得帖」より。
私が独立開業する時に読んだ書籍の中の一冊ですが、考え方の軸がしっかりしているなと
感心させられる話が満載です。
この「業界の安定は共同の責任」ということも、全ての産業に当てはまり、
当然、私たちの業界にも見事に当てはまります。
1社だけで信用を築くことはできないので、全ての人材紹介会社、全てのコンサルタントの人格、
仕事に対する姿勢、業務スキルの底上げが必要だと思います。
まだまだそれができていない未熟な業界です。
だからこそ逆に、この産業には、まだまだ発展・向上の余地が残されている、
大きな可能性が残されていると思います。
「いまから ここから」 みつを
合掌。