正々堂々と退職する。
人材紹介会社を辞めて、別の人材紹介会社に転職する場合、少々デリケートな問題で
正々堂々と転職先の社名を宣言して退職する人は多くない。
私はこれまで、お世話になった会社には仁義を切って、転職先の社名も伝えてきた。
「あんたは特別ラッキーだよ」 と言われるかもしれないが、
私は前の会社との人との人間関係も失いたくないのでそのようにしてきた。
別の会社に転職しても、いつでも会って笑いながら酒を飲める関係でいたいのだ。
また、過去の経営者や上司の方々には、寛大にご対応いただき感謝している。
宇宙の中の地球、地球の中の日本、日本の中の人材紹介業、そんな狭い世界で
おどおどしながら生きたくない。
しかし、昨今の事情を聞くと、私は寛大な経営者に恵まれ確かにラッキーであったと思う。
現在、この業界の多くの経営者は、仁義を切っても許してくれないようだ。
「同業他社には2~3年間は転職していけない」 とか 「独立開業してはいけない」 とか
「同業他社の中でも大手のA社とB社に転職していけない」 とか様々な制約を設けていると聞く。
この仕事が嫌いになって異業界に転職する人には全く関係ないが、
この仕事が好きで今後も続けたい人には酷な話だ。
本来自由であるはずの職業選択の権利を束縛するものだ。
私が経営者であれば、このような意味の無い束縛は決してしない。
自分のプライドが許さない。人を束縛する事は、自分自身をおとしめる行為だ。
人は自分と同じように自由な存在だ。
いつでも解き放つ覚悟が必要だし、むしろ、「おめでとう」 というはなむけの言葉を贈りたい。
辞めたい人にはそれなりの理由があり、その原因をつくった経営サイドの責任もある。
そして、どんな縛りをもうけても、適当なウソをついてこっそり同業者に転職していくだけだ。
つまらない法律をつくると犯罪は地下に潜って増殖するとの同じ。
真に品格ある経営者は、このようなつまらない束縛はしない。
転職をビジネスにしている者が、自社の社員の転職を束縛するなど矛盾も甚だしい。
今日も退職交渉の相談があったので、このような事を書かせていただきました。
「宇宙ロケットの中から地球を見ると 人間なんかひとりも見えやしませんよ
ガガーリンは言いました 空は暗く地球は青いと
コセコセスルコトハアリマセンヨ
まあゆっくり飲んで下さい」
みつを
合掌。