「履歴詐称を奨める悪徳人材コンサルタント」 がいるんですね。
そこまでするかと驚きです。
最近、立派なご経歴のエグゼクティブが来られて、ざっくばらんに話をしていたんです。
そしたら途中で、このようにおっしゃるのです。
Aさん:「武谷(たけや)さん、申し訳ないけど実は履歴書に書いていない会社があるんですよ。」
私:「そうですか? どうして書かれないのですか?」
Aさん:「別の人材会社のコンサルタントに相談したら、『在籍期間も短いし、
そんなにひどい会社だったのであれば、この転職は貴方の責任ではないし、
転職活動にマイナスになるので書かない方がいいです』 と言われたんです。」
私:「それはまずいですね。履歴のウソはいつか絶対にバレます。
その時には、どんな言い訳をしても取り返しがつかないですよ。
ちゃんとした転職理由があるのなら、むしろ、正々堂々と書くべきだと思いますよ。」
Aさん:「そうですかー、済みません。
不景気でエグゼクティブのポジションも少ないですから、コンサルタントの
アドバイスを真に受けて割愛してしまいました。」
私:「お気持ちはよくわかります。
ただ、Aさんのご経歴、実績は大変立派ですから、そんな事をされなくても
必ず良い転職先が見つかると思います。
ご帰宅されたら、本当の履歴書を送っていただけますか?」
Aさん:「もちろんです。大変申し訳ございませんでした。」
このような会話だったわけです。
とんでもないコンサルタントもいるものですね。
キャンディデートの事を考えているふりをして、実は自分の業績の事しか考えていないですね。
履歴詐称を促すなど、到底許される行為ではないです。
書類選考を通過しやすいように履歴書や職務経歴書の書き方をアドバイスするのは、
コンサルタントの当然の仕事の一つですが、履歴詐称は絶対に駄目です。
こんな人が多くいます。
出向、転籍、M&Aによる社名変更などを、詳細に履歴書に書いている人です。
正直だし事実だけれども、転職もしていないのに、やたら転職歴があるように見えるのです。
このような場合は、履歴書上の社名を1社にまとめた上で、(○○会社出向2年、その後M&Aにより
社名変更)とか、転職歴が多く見えないようにアドバイスさせていただきます。
実際に転職していないのですから。
皆さん、そのようにアドバイスされてますよね。
しかし、事実を偽るのは絶対に駄目です。
クライアントはもちろん、何よりご本人のためにもなりません。
人事採用責任者のネットワークもありますから、一旦変なレッテルを貼られると再起不能になります。
我々、人材コンサルタントは、ご本人に無断で身上調査することは法律で禁じられています。
だからと言って、ご本人の履歴を勝手に変えることも許されません。
皆さん、万一このような悪徳コンサルタントがいたら、絶対にこの業界から閉め出してください。
みんなが迷惑します。
「なるべくなら うそのないほうがいい」 みつを
合掌。