「ジャーマンスープレックスホールド」
これは、プロレスの有名な技だ。
格闘技ファンなら誰でも知っていると思う。
リクルート人材センター(現リクルートエージェント)時代、本社が西新橋(虎ノ門)にあった。
今は取り壊され別の建物になったが、リクルート西新橋ビルと言う、リクルートが初めて建てた
旧い12階建ての自社ビルに入っていた。
その横には、ドトールがあった。*今もある。
コーヒー好きな社員などは、毎朝ドトールに寄ってコーヒーを買って来る。
また、会議などミーティング時も、ドトールで飲み物を買って、飲みながら話したりしていた。
また、面談ルームが満席だったり、社内の会議室が満杯の時は、ドトールの二階のテーブルを
会議室代わりに使ったりしていた。
ある日、いつものように営業会議をやっていたが、ちょっと長くなったので、
誰かにドトールで飲み物と食べ物を買って来てもらおうという話になった。
私は、コーヒーは飲まないので、いつもグレープフルーツジュースを注文する。
食べ物は、決まって 「ジャーマンドッグ」 を注文していた。
使い走りは、だいたい新入社員と決まっている。
その日も、新入社員に、
「おー、○○、済まんけど、お前、ドトールで買って来てくれ。」
と言って、我々先輩社員が、自分の飲みたい物や食べたい物を注文し、お金を渡した。
そこで、私がふざけて、非常にくだらないオヤジジョークを言った。
私:「俺は、グレープフルーツジュースと 『ジャーマンスープレックスホールドドッグ』 を頼む。」
周囲の社員は、また馬鹿な事を言ってるぞー、という顔をしてニヤニヤ笑っていた。
私も、「そんな冗談やめてくださいよ。ジャーマンドッグでしょう?」 と、新人に言われると
思っていた。
ところが、その新人は、プロレスの技など全く知らないらしく、
本当に 『ジャーマンスープレックスホールドドッグ』 があると思ったらしい。
新人:「えー!! 何ですか? そんな食べ物売ってるんですか?
もう一度、言ってください。」
私:「知らないのかお前!! 『ジャーマンスープレックスホールドドッグ』 だよ。」
新人:「えー!! 済みませんがもう一度お願いします。」
私:「仕方ねーな。 じゃあ、俺が書いてやるから、これを持って行け!!」
と言って、『ジャーマンスープレックスホールドドッグ』 と書いたメモを渡した。
新人:「ありがとうございます。 すぐに買ってきます!!」
新人が部屋を出た後、その場の社員はみんな爆笑。
「あいつ、ジャーマンスープレックスホールド 知らないんだ!!」
15分後ぐらいに、新人が苦笑いしながら戻って来た。
新人:「ちょっと武谷(たけや)さん!!
店員さんに笑われましたよ!!
他のお客さんにも!!
『ジャーマンスープレックスホールドドッグ』 なんて無いじゃないですか!!」
私:「えー!! いつ無くなったの!! 大好物だったのに!!」
新人:「ちょっとお願いしますよ!!
ジャーマンドッグですよね?」
私:「省略すると、そうとも言う。」
新人:「いい加減にしてくださいよ!!
省略しなくても、ジャーマンドッグでしょう!!
本当にみんなに笑われて、めちゃくちゃ恥ずかしかったんですよ!!」
私:「そうか、いい経験したな。
人間は恥をかいて成長するからな。
明日から新規のアポ取りも勢いよくできるだろう。」
新人:「ほんと勘弁してください。」
「柔道の基本は受身
受身とは ころぶ練習
負ける練習
人の前で恥をさらす練習」 みつを
合掌。