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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

瀕死のリクルート人材センターが再生!!

「瀕死のリクルート人材センターが再生!!」
 
創業以来黒字で成長を続けてきたリクルート人材センター(現リクルートエージェント)が、
3年連続赤字に転落し、従業員も450人から150人へと大リストラを行う惨状になったことは
書かせていただきました。
 
ただ、このギリギリの悲惨な状況の中でこそ、その後の成長につながる改革を実行できたのも事実です。
 
RA(法人営業)部門は業界別組織に、CA(キャリアアドバイザー)部門は職種別組織に
再編成されました。
エリアマーケティングとの決別です。
 
更に現在は、大企業、ベンチャー企業など企業のステージ別に対応するRA組織があったり、
登録される方に対しては、ご年齢・性別、ご役職などによって担当CA体制を変えるなど、
更に細分化を進めた組織体制になっております。
 
ただ、弊社はもちろん同業他社を訪れていただく登録者の方々からは、
 
「リクルートエージェントのサービスは機械的で冷たい。
担当CAには希望をちゃんと伝えたのに的外れな求人資料を送ってくる。」
 
など、未だに厳しいご指摘も少なくありません。
 
その意味では改革は一時のもので終わってはならず、業界のリーディングカンパニーとして
更なるサービス改善をお願いしたいというのが、我々OB・OGの切なる願いです。
 
村井社長をはじめ現在の社員の方々、日常の継続的努力のお話は伺っておりますが、
この点、今後も引き続き改善努力をお願いします。
 
創業社長であった溝渕さんは、長らく会社の成長・発展に多大な貢献をされましたが、
バブル崩壊後の再建中に退任されました。
大変バイタリティーと正義感があり、現リクルートスタッフィングも創業されるなど
先見性も豊かな方です。
社員からは、「溝さん、溝さん」と親しみをこめて呼ばれ距離感も近い方です。
溝さん、あらためて公私に渡り、大変お世話になりました。
ありがとうございました。
 
時折、OB会などでお見かけしますが、益々お元気そうで人間的な魅力に磨きがかかって
さすがだなーと思います。
相変わらず 「北島三郎」 に似てますが。
 
溝渕社長が退任された後に、後任の社長に就任されたのが、岡﨑(おかざき)さんです。
 
初めは、リクルート本社の常務を兼任されていましたが、途中からリクルート人材センター
(後にリクルートエイブリックと改名)専任になられました。
 
岡﨑さん、それから後の常務の中島さん、このお二人無しでは、リクルート人材センターの
再建は語れません。
 
一度どん底に落ちた会社を、どのように建て直すのか?
身近に見せていただきました。
こういう人を経営のプロとか再建のプロと言うのかな。
 
私は、へぼ将棋を指すのですが、岡﨑さんは囲碁3段の腕前。
 
経営にも大局観が必要ですね。
 
目先の緊急案件だけに振り回されず、中期目標をしっかり組み上げて、そこへ到達するための
確かな道筋をしっかり固め、着実に目標に近づく一手一手を指す。
 
岡﨑さん:「緊急ではないが重要な事。七つの習慣の第二領域を優先しろ!!」
 
岡﨑さん:「この会社がどこに行くのか? お前たちマネージャーがわかっとらんでどうする?
      メンバーからどこに行くんですか?と聞かれて、お前らがバラバラな答を言ったら
      どうなる?
      この船は北に行くのか? 南に行くのか? どっちなんだ?
      北だと決めたら、お前らがメンバーを北に引っ張らにゃ。
      でも、北はどこですか?とメンバーに聞かれたらどうする?
      北はあっちだ!!と、みんなが同じ方向を指せなければ駄目だ。
      全員を北に連れて行くためには、まず、お前ら自身が成長しなければならん。」
 
こんな話をよくされていました。
 
また、難解な話も絶妙な例え話でわかりやすく伝えてくれる名人ですね。
 
岡﨑さん:「武谷(たけや)、俺が来て初めにやった事を覚えとるか?」
 
私:「はい。マネージャー全員と個別に話されましたね。」
 
岡﨑さん:「そうだ。
       あの時はみんなバラバラで、いろいろな事を話しとったな。
       でも全員と話して、誰が課題を正確に掴んどるかわかるし、
       誰がこの会社の再建に本気かもわかる。
       1時間も話せば十分わかる。」
 
私:「それでどうしたんですか?」
 
岡﨑さん:「まずは部長クラスで誰を中心にするかを決めにゃ始まらんだろう。
       それ次第でその下のマネージャーの動きも左右されるだろう?」
 
私:「なるほど。それでどうしたんですか?」
 
岡﨑さん:「俺は中島を中心にすると決めた。
       だから初めの半年は中島に俺の考え方を伝えるために、徹底的に毎晩
       飲みに行ったぞ。
       それぐらいせにゃ、他人に自分の考え方を伝える事はできん。
       会議室で1~2時間話した程度で、部下が自分の考え方をわかってくれると
       思ってるマネージャーは大バカ者だ!!」
 
私:「半年間も毎晩飲みに行ったんですか!!
  岡﨑さん、凄いパワーですね!!」
 
岡﨑さん:「バカ!!
       パワーが無くて経営者が務まるか!!」
 
今でこそ言える事ですが、こんな話をしてくれます。
その話の中から、経営者は何をしなければならないか?
具体的にどんな手順を踏まなければならいか? という事を
教えていただいていた気がします。
*私は全く実践できませんでしたが。
 
岡﨑さん時代、徹底した本業深耕をやりました。
 
岡﨑さん:「いいか、早く目的地に到着するためには、あれもこれもじゃ話にならん。
      みんなが目的地ただ一点を目指して全速力で進まにゃ、いつまでたっても
      目的地には着かんのだ。
      お前らは、すぐにこれもやりたい、あれもやらせてくれと、いろいろな事を言ってくる。
      目的地にも着いとらんのに、その手前であれもこれもやって体力を消耗したら
      永久に目的地には着けんぞ!!」
 
私:「じゃあ、いつになったら新しい事ができるんですか?」
 
岡﨑さん:「バカ!!
      目的地に着いたら時には自然と見える景色が変わるんだ。
      その景色を見たら、今とは別の事をやりたいと思うかもしれん。
      次に何をするかは、目的地の景色を見て決めても遅くない。」
 
禅問答みたいですが、岡﨑さんとのこんな会話が楽しく勉強になり、強く印象に残っています。
 
岡﨑さん:「最初の目的地は目の前だ!!
      目的地に着けば、会社のプレゼンスもお前たちの存在価値も上がる。
      マネージャーのお前らが、いつまでもどこかのさえない中間管理職みたいな顔を
      していては、これ以上の発展は無いぞ。
      自信と誇りを持て!!
      物事をもっと深く考えろ!!
      自分の言葉で会社の未来をメンバーに語れるようになれ!!」

岡﨑さん:「組織は作った瞬間から陳腐化が始まる。
      世の中はどんどん変わる。うちの会社も変わる。
      だから、組織が腐る前にどんどん変えにゃいかんのだ。」
 
岡﨑さんや中島さんのおかげで、瀕死の重傷だったリクルート人材センターは再生しました。
 
我々もマネージャーの存在意義を問われ、いろいろ考えさせられました。
 
「経営とは?」 とか、「人を活かすためには?」 とか、「タブーの無い風土とは?」 とか。
 
そして 「最後は人と風土しかない」 と。
 
異なる能力の人を活かし、その時その時で市場や企業体力に適合した最適な組織に組み換え、
みんなが卑屈にならず自由に伸び伸び働ける風土をつくるしかない。
 
多くの社員、OB、OGが今でも感謝しております。
 
誠にありがとうございました。
 
「名もない草も実をつける いのちいっぱいの花を咲かせて」    みつを
 
合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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