「高業績キャリアアドバイザーの行動分析」
1992年ごろ、新橋本社の職業紹介課長として、中央支社(神田)から戻りました。
職業紹介課とは、キャリアアドバイザーや事務スタッフ、受付のスタッフなどが所属する
いわゆるキャリアコンサルタント部隊です。
営業が獲得してきたきた求人を決める部隊です。
新橋の場合は、キャリアアドバイザー10名程度、事務スタッフが5名程度、受付さんが日中、
夜、SPI受験のインストラクターなど合わせると25名程度居ました。
合計40名程度の大所帯でした。
私が営業部隊ではなく職業紹介課に配属されたのは、この部隊をよく知り、より多くの紹介を成立
させるべく、キャリアアドバイザーの業務内容にメスを入れるためです。
私以外にも、新宿支社、池袋支社などに、マネージャーやスタッフが配属され、
毎週の行動プロセスデータやキャリアアドバイザー個々の情報を持ち寄り、
「どうすれば、キャリアアドバイザー部隊の業績をもっと上げる事ができるか?」
という事を検討していました。
そこでわかった事は、高業績キャリアアドバイザーには、大きく三つのパターンがあるという事です。
1 圧倒的な紹介件数の多さで業績を上げる人。
2 平均以上の紹介件数とマッチング精度高さ(面接件数)とのバランスの良さで業績を上げる人。
3 平均以下の紹介件数だが、マッチング精度高さ(面接件数)で業績を上げる人。
議論の結果、上記1~3に当てはまるように、業績不振者を指導しようという事になりました。
ただ、1と3には課題もあるので、当面目指す姿は上記2であるという結論になりました。
上記1は、紹介件数を乱発するので、マッチング精度(面接率)が低い。
また、相当に体力があるキャリアアドバイザーでなければ真似できない。
上記3は、マッチング精度(面接率)は高いが、それにこだわるあまり合格可能性が微妙な人材を
切り捨ててしまう危険がある。
その点、上記2は大変バランスが取れている。
思えば現在様々な紹介会社で運用されている、キャリアアドバイザーの
KPIの原型が
ここで確立したわけです。
「面談数(率)、紹介数(率)、面接数(率)、内定数(率)、入社人数(率)、入社後退職人数(率)」
この数値を並べて見比べれば、キャリアアドバイザー個々人の長所と課題がわかります。
しかし、現実は我々が長所と課題を指摘したからと言って、年輩のキャリアアドバイザーが
それを素直に認めるわけもなく、全体の業績の底上げはされません。
キャリアアドバイザーの業務は密室で行われますし、お互いのスキルの相違を認識しにくい。
また、相談相手の登録者の方々も百人百様、様々なキャリアと個性を持たれています。
まさに、「暗黙知の塊」のような業務であり、形式知化する事が極めて困難です。
従って、プロセス数値の分析を行って重箱の隅をつついても実際の効果はあまり無い。
よし、それなら彼らの息子、娘ぐらいの若造である我々が直接勝負したろうやないか!!
早く勝負させてくれ!!
こうなるのが自然でしょう。
「考えてばかりいると日がくれちゃうよ」 みつを
合掌。