「自分のマネジメント力の無さに失望する」
営業マネージャーになって、自分のメンバーは全員マネージャーに昇進できるように
育てようと本気で思っていました。
「不良社員の俺がなれたんだから、みんなが本気になればマネージャーになれるだろう。」
と思っていました。
1年ぐらいやってみてわかったのですが、それは幻想でした。
メンバー全員をマネージャーにするのは無理です。
理由は、大きく二つほどでしょうか?
1 私のマネジメント力不足。メンバー全員に同じスタイルのマネジメントをしてしまった。
2 メンバー固有の特性・志向の問題。
例えば、今や自分で立ち上げた会社を上場させたT君などは、
「こいつは放っておいても勝手に育つ。近い内に俺を越えて行くな。」
と思っていて、その通りになりました。
どうしてそう思ったか?
①志が高いこと。良い意味で自分にプライドを持っていること。
②基礎能力が高い上に勉強家であること。
③頭が良いだけでなく、行動力もありセルフスターターであること。
また、数年後に会社を辞めて、公認会計士になったK君の場合は、
「こいつ頭もいいしセンスもある。もう少し継続力があれば凄い営業マンになるだろうなー。
でも、どうしてもっと努力しないのかなー?」
と思っていました。
でも、私がK君の良い所を引き出せなかった。
・K君の場合、もっと努力すれば、具体的にどんな良い事があるのかを、精神論ではなく
ロジカルに合理的に割り切ってモチベートすれば良かった。
明確に損得計算で教えれば良かった。
しかし、無理にK君をそんなカタチでモチベートするのは、結果論ですが多分違うでしょうね。
K君は大学は理系で、公認会計士とは全く無縁でしたが、わずか1年間勉強して合格してしまった。
K君には、人材紹介業はシンプルすぎて、おもしろくなかったのかもしれません。
更に、人間よりゴリラ に近い大男のS君の場合、
「こいつのわけわからんパワーを真面目な方向に使わせるように、徹底的にスパルタ教育
してやろう。ボコボコにして真っ当な人間にしてやろう。」
と思っていました。
最近、会っていないので、どんな人間になっているのかわかりませんが、
私はS君を変えられなかった。
怒鳴ったり蹴飛ばしたり、今ではパワハラ的な事をしましたが、なぜか私から怒られるのが
嫌いじゃないというか? むしろ構われたいというか? とにかく効果は無かったです。
毎晩、K君とS君 が夢に出て来るんです。
そして、夢の中でもボコボコにしているんです。
翌日、会社に行って、
「昨日も夢の中で、お前らをボコボコにしたぞ。」
とか本人に言う日々が続き、だんだん疲れて来ました。
「マネジメント万能論は神話に過ぎなかったな。俺は無力だ。」
と思うようになり、それと同時に中央支社(神田)における営業マネジメントに飽きて来ました。
「よし、何か他におもしろいことないかなー?」
と思い始めた頃に、全社業務改善プロジェクトのようなものが発足しました。
その頃から、私の興味は急速にそちらの方へ向うようになりました。
営業マネジメントからの逃避かもしれません。
「今の会社の組織とか役割分担を変えて、もっとすっきり仕事ができるようにしたい。」
以前からふつふつと思っていた事に取り組みたいと思いました。
ただ、会社を変えるというのは、もっと力量が必要だった。
「なやみはつきないな 生きているんだもの」 みつを
合掌。