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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

高すぎる目標設定の弊害

「高すぎる目標設定の弊害」
 
「事件は会議室で起こってるんじゃない!! 現場で起こってるんだ!!」
 
というセリフがあります。
 
様々な人材紹介会社に在籍されている方々にお会いすると、
 
・「経営陣が何を考えているかわからない。」
 
・「現実味のない数字の目標だけが、上から下りてくる。」
 
・「経営者の暴走を止める人が居ない。」
 
・「入社前とのギャップを感じて退職する人が多く定着率が悪い。」
 
などという、文句や愚痴を伺います。
 
なぜ、経営と営業現場との間にそんなに距離があるんだろう?
 
私:「直接、上司の方に話してみた事はあるんですか?」
 
ご本人:「はい。何度も話しましたが全然変わりません。
     結局、みんな、社長の言いなりなんです。」
 
私:「じゃあ、直接、社長に話してみた事はありますか?」
 
ご本人:「いや、そこまでは私の仕事じゃないと思います。」
 
私:「社長さんは、貴方の意見が聞きたいかもしれませんよ。」
 
ご本人:「それは上司の仕事だし、直接、社長と話したいとも思いません!!」
 
こんな理由で平行線のまま転職するのは残念ですね。
 
リクルートエイブリック時代、上司だった取締役の中島さんから、
 
「それって営業現場の納得感はあるのか?」
 
と頻繁に聞かれていました。
 
中島さん:「いいか、現場のメンバーに高い要望をするのは、マネージャーとして当然だ。
      高い期待をして引っ張り上げないと、メンバーの成長が止まってしまう。
      しかし、かなり頑張っているメンバーが、『それはあまりに現実味がない目標ですね。
      そんな納得感のない目標では、しらけてしまって逆効果です。』と言われてしまっては、
      話にならん。真剣に頑張っているメンバーが、努力すれば達成可能な目標でなければ
      意味がないぞ。」
 
私も同感です。
 
また、多少高い目標でも、マネージャーが自分の言葉で、その目標の意味をメンバーに話せて
メンバーが納得できればいいと思います。
 
時々、こんなマネージャーも居ませんか?
 
メンバー:「どうしてこんな高い目標になったんですか!! こんな数字できませんよ!!」
 
マネージャー:「俺も高いとは思うよ。でも、役員会で決まったんだから仕方ないよ。」
 
これを言ってしまっては、マネージャー失格ですね。
 
一方、経営者も、
 
「目標は高ければ高いほど業績が上がる。」 
 
などと、昔の高度成長時代みたいな事を言っていると、いつか会社は破綻するでしょう。
 
「しかし、目標を低くすると、そこまでしか売らなくなるだろう?」
 
これは性悪説で、経営と現場との間に全く信頼感が生まれません。
 
やる気があるメンバーは100%に甘んずることなく、達成率120%でも150%でもやるのです。
 
「あいつは、よく頑張ってるな!!」
 
と思うメンバーが達成できない目標を掲げても意味がない。
 
少なくとも、現場のメンバーの50%が達成できる目標でなければ士気が上がらない。
 
もっと言うと、会社全体の目標を達成したいなら、70~80%以上のメンバーが達成できないと
 
達成できないメンバーの足りない売上を補う事ができません。
 
スタートの目標設定段階で現場のモチベーションを下げるようなマネジメントをすれば
いつまでたっても社員が定着しないでしょう。
 
結局、経営者自身に、しっぺ返しが来ます。
 
点数
「にんげんはねえ 人から点数をつけられるために この世に生まれてきたのではないんだよ
にんげんがさき 点数は後」
 
みつを
 
合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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