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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「リクルート事件」の意味

今日は世間をお騒がせした「リクルート事件」に関して、書かせていただきます。
 
事件の真相とか、経営陣が何を考えていたか? とか、そんな事を書くつもりはありませんし、
 
我々末端の社員は何も知りません。
 
想像するに、前のめりになって、焦って大きな会社にしようとしていたのだろうと思うのです。
 
丁度、INS事業(回線リセール)とか、RCS事業(スーパーコンピュータのタイムシェアサービス)などに
 
乗り出して、当時騒がれていた所謂、VAN(付加価値通信網)にリクルートが持つ様々な生活コンテンツを
 
乗せようとしていたんでしょう。
 
あの日、突然の緊急全社員総会が、品川のホテルで行われ、全国から社員が集まりました。
 
そこで、江副さんから、
 
「皆さん、今後の我々のライバルは、NECや富士通などの巨大企業です。
全社員が、この新しい事業に関心を持ち、一致団結して盛り上げて勝ちましょう!!」
 
というようなスピーチがありました。
 
江副さんの側近だった方に伺うと、
 
「あの事業に踏み込んでから、全てがおかしくなってしまった。それまでの江副さんは、
ある意味完璧な経営者だった。」
 
おっしゃってました。
 
実際に、既に前述の事業から撤退して、かなりの時間が経過しました。
 
まあそんな事よりも、我々末端の社員にとって、「リクルート事件」とは何だったか?
 
私は個人的に、
 
「お前ら、何を調子に乗ってるんだ!! 
真面目にお客様の事、社会の事を考えろ!!
会社として、人間として、もっと謙虚になれ!! 大人になれ!!
目先の勝負に勝つことばかり考えていると、品の無い会社、品の無い社員の集団になるぞ!!」
 
と、言われたような気がしています。
 
人生にそもそも勝ち負けがあるのか?
 
最近、勝ち組とか負け組という言葉を頻繁に耳にしますが、嫌な言葉ですね。
 
少なくとも、子供たちには、
 
「人生には勝敗など無い。自分と他の人を比べてばかりいると、貧しい人生になるよ。」
 
と教えたいですね。
 
更に、ちょっと格好良すぎますが、こんな感じでしょうか?
 
「自分らしく生きた人が、良い人生だったと心から思えるんだよ。
人生は他人に誇る為に生きるのではなく、自分や大切な人のために生きるんだ。」
 
だんだん、相田みつをさんの世界になってきましたね。
 
しかし、リクルート事件後、かなりの時間が経過して、最近、また何やら変な感じだと思うことがあります。
 
「人材輩出企業、リクルート」とか、「リクルートのDNA」とか、「売上1兆円達成」とか、
 
何やらもてはやされて、我々は再びいい気になっているのではないかと思うかたわら、最近は失敗ばかり
 
連発してますね。
 
社員のリストラは大胆にしてますが、経営陣のリストラが進んでいませんね。
 
どうなっているんでしょうか?
 
不景気になったらリストラして急場をしのぐだけなら、本当の経営能力は不要ということですね。
 
また、話が経営批判になってしまい済みません。
 
とにかく少し前は、 「私はリクルート出身です!!」
 
と言うのが、
 
「私はできるビジネスマンです!!」
 
とでも言っているように感じられてしまう。
 
それは、私自身の意識の中にもあると思います。
 
ただ、 「リクルート」と言う看板で生きてきただけなのに。
 
実際に今も私の自己紹介に、「リクルート出身です」 と書いてます。
 
私自身が依然として自分の名前だけでは勝負できていない証拠です。
 
現役の全社員や全OB・OGがそうではないし、実際に謙虚でいい奴もたくさんいるんです。
 
同じ失敗を繰り返さないように、襟を正さなければいけませんね。
 
自然と人から尊敬される会社、人間にならなければ、一時のビジネスの世界で勝っても、
 
無価値だと私は思います。
 
でも、最後に、この社是は今でも好きですよ。
 
こんな感動的で厳しい社是を私は知りません。
 
未だにデスクの上に、このプレートを置いています。
 
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
 
 
合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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