「勝手にアメリカ出張!!(MBAヘッドハンティング:その3)」 です。
今日は、 「アメリカの人材紹介業の市場」 に関してご報告します。
1 市場開放(規制緩和)が進んでおり、大変活性化している。
2 ①アデコ、マンパワーなど売上の大きさを追求する派遣業から派生した大企業があるが、
ハイエンド層は得意ではない。
派遣系の会社は、薄利でボリューム勝負なのでとにかくM&Aが多い。
②コーンフェリー、ラッセル、スペンサー、ハイドリック、エゴンゼンダー等、
エグゼクティブ層をターゲットにしたサーチファームは別次元で存在する。
*ロスのコーンフェリーの本社も訪問しましたが、彼らは人材紹介とは全く別の
事業だと思っているので、とにかく話が噛み合わなかった。
やたらプライドが高い。頭が良いので当り前か?
でも、最近はその境界線も崩れて来ましたね?
現在は、紹介もサーチも関係ないですよ。
日本のエグゼクティブもアメリカ並みに常時転職を意識する時代になりました。
優秀なエグゼクティブでも、ご自分から登録してくる世の中になったのです。
従って、サーチファームは対象とするキャンディデートの年収も低くなってきて
事業領域を下に広げています。
結局、人を紹介して報酬を得るというビジネスとして本質的に同じです。
サーチしたって100%オーダーにピッタリという人材は稀で、結局、大半のエグゼクティブが
数年以内に再度転職をします。 彼らはそれを商売にしています。
サーチだから良いとか、登録型だから悪いとか、そんな考え方こそが時代錯誤です。
もっと言うと、お客様(クライアント)を『サーチ』という言葉や、
コンサルタント自身が『MBAホルダー』だとか、
『コーンフェリー』というブランドで、高く売れるという仕掛けです。
リテイナー含めて高い金をふっかけている。(笑)
ただ以前、ラッセルのトップコンサルタントに会った時に言ってました。
『俺たちのビジネスは所詮、四角い箱に丸い物を収めるのです』と。
と言うことは、やっぱりサーチでも完璧な人は探せないという事です。
ただ、年収の高い人(年収が安い人も同じ人間)を事業領域にしているというだけです。
③他には、何かそれぞれの特色や強みを持った中小の人材紹介&派遣会社が無数にある。
低年収ゾーンでは、紹介と派遣の垣根は非常に低い。無いと言っても良い。
④ホワイトカラーの90%以上が馴染みの人材エージェントに登録している。
転職に対してオープンで前向き。
ホワイトカラーの転職手段は、人材エージェントを使うのがメジャーな手段。
日本のリクルートが発行してきたビーイングとか、とらばーゆとか、そんな求人情報誌市場は
各地域で限定的にしか存在しない。
かつて日本で、求人広告市場が5000億円などと異常に発展したのは、
①労働省の人材紹介会社に対する規制緩和が遅れたこと。
②日本の国土が狭いこと。
などに起因しているので、規制が無く国土が20倍以上のアメリカ とは比べられません。
*昔、野村総研が調べたアメリカ 市場の結果です。アバウトな数字です。
・人材派遣・TTP・PEO等 約20兆円
・登録型人材紹介 6000億円
・サーチ型ヘッドハンティング 4000億円
・ネット含む求人広告 4000億円
ここで注目していただきたいのは、「登録型人材紹介 6000億円」、
「サーチ型ヘッドハンティング 4000億円」、「TTPは確か2000億円程度」 を合算すると、
1兆2000億円になります。
日本の現在の人材紹介市場が、良かった時で2000億円程度ですかね?
アメリカ のGDPや人口が日本の3倍としても、1兆2000億円÷3=4000億円
となりますので、日本の人材紹介市場は、今の2倍の4000億円になってもおかしくはない。
しかし、人口の減少、高齢化、国力の衰退など、様々な要素が絡んで来るので、
個人的には3000億円が分水嶺だと思っています。
済みません。
アナリストでもないのに根拠の無い話をしてしまいました。
まだまだ人材紹介業は、2007年度までがウソのように不景気ですが、
ジワジワ復活しています。
特に経営力のある人材紹介会社は、V字回復中 で多数の求人もいただいています。
皆さん、春はそこまで来ています。
合掌。