今日は完結編です。
200人程度のリストを1回クリーニングし、つかまらなかった方々に2回目の電話をかけようと
していた頃でした。
突然、Cさんと言う登録者の方が、新橋本社のキャリアアドバイザーYさん宛に来社されました。
*Cさんは以前、キャリアアドバイザーのYさんと既に面談されていた方でした。
Yさん:「今日はどうしたの? 新しい求人情報収集ですか?」
Cさん:「はい。それもありますが、先日の深夜に、御社の武谷(たけや)さんと言う方から電話が
あって、『とにかく一度、S社と言う会社を訪問してみてほしい。』と言われたんですが、
Yさんは、その事をご存知ですか?」
Yさん:「いいや? そんな事は全く知らないよ。Cさんの担当は私だけだから、他の人間から
連絡が行くわけがない。」
Cさん:「でも、武谷(たけや)さんと言う方から電話があったんです。
御社には、そんな名前の人はいないんですか?」
Yさん:「いやー、いるにはいるが・・・・・。どうしてかなー?
まあ、こちらで調べて後日連絡しますよ。」
という事が起こり、私がやっていた事が、あっと言う間に上層部にバレバレになりました!!
翌日の早朝、本社から常務と営業部長が、当時、新宿支社に異動していた私と、
鬼マネージャーSさんの所に飛んで来ました。
二人そろって来るのは初めてで、かなりの事件です。
そこで、鬼マネージャーSさん が、まず呼ばれました。
常務&営業部長:「お前も知った上で、武谷(たけや)にやらせていたのか?」
Sさん :「そうです。」
常務&営業部長:「バカヤロー!!
キャリアアドバイザー部門は役員以下、
全員カンカンだ!!」
Sさん :「済みません。」
常務&営業部長:「Nもお前も、どうして事前に承認を取らないんだ!!
これで、武谷(たけや)の将来に傷が着いたら
お前たちは責任取れるのか!!」
Sさん :「じゃあ、承認を取ったら、やらせてくれたんですか?」
常務&営業部長:「・・・・・・。それはわからん。」
Sさん :「そうでしょう? だから黙ってやるしかなかったんです。」
常務&営業部長:「バカヤロー!!
だから承認を取らないでよい、という話にはならん!!
とにかく、新橋のキャリアアドバイザー部門に武谷(たけや)を行かせて
全員に頭を下げるように指示しろ!!
そうしないと、今後、武谷(たけや)の求人には一人も紹介を出さないと
言っているぞ!!」
Sさん :「わかりました。」
私もその後、営業部長のHさんに呼ばれました。
Hさん:「武谷(たけや)、すぐに新橋に行って全員に頭を下げて来い。
気持ちはわかるが、次回からは事前に承認を取ってくれないと
俺もお前をかばえなくなる。
今、お前は大事な時なんだ。
いいな!!」
と、拍子抜けするぐらい穏やかに言われました。
H部長は、部門長としてのご自身の責任を痛感されていたのでしょう。
その後、私は指示通りに新橋本社に飛んで行き、全キャリアアドバイザーに頭を下げて
回りました。
もちろん、内心は不本意で悔しかったです。
「こんな事したら、お前の会社には二度と人を紹介せんぞ!!」
と、親玉のキャリアアドバイザーに強く叱責されました。
他のキャリアアドバイザーも、私が頭を下げても冷たいそっけない対応でした。
確かにそれ以来1ヶ月間ぐらいは、従来より紹介人数が減少しました。
上層部では、公に上司や私を処分するという話もあったようです。
確かに常務やH部長にはご迷惑をおかけしましたが、
私はこの件に関しては悪い事をしたとは思っておりません。
営業マンとして当然の努力をしただけだと思っております。
ただ、お客様のご要望に、会社の体制や仕組・役割分担などが着いていけてなかったのだと
思っております。
その結果、バブル崩壊と同時に3年連続赤字転落、従業員450人から150人への
大リストラをやらなければならなくなったのだと思っています。
さて、私の深夜の電話での成果はあったのか?
お一人ですが、素晴らしい方が、S社にご入社されました。
入社されてすぐに、事業所代表の1級建築士に登録されていました。
総務課長:「今回はいろいろ危ない橋を渡らせてしまったらしいね。」
私:「いや、御社にはそれだけお世話になっていますので。」
この事件が、1月か2月だったのですが、3月末に常務とH部長を通じて、
鬼マネージャーのSさん に電話で連絡がありました。
Sさん :「そうですか!! ありがとうございます!!」
がちゃ!!(と電話を切るなり)
Sさん :「おい、武谷(たけや)が4月からマネージャーに昇進するぞ!!
良かったな、おめでとう!!」
私:ポカーン~。
*マネージャー昇進など夢にも考えた事がありませんでした。
30歳ぐらいになったら、なるものなのかなー、ぐらいに考えていました。
私の同期300人(昭和59年組)はインフレでした。
早い人は、私よりも半年早く昇進していました。
ただ、当時のリクルート人材センターでは、26歳でマネージャーというのは
前例がありませんでした。
私の後輩では、私より早く昇進する人が出てきましたが。
私:「そうか、それでH部長は、『今はお前にとって大事な時だ。』と言っていたのか?」
上司の心、部下知らず なのかもしれません。
あんな問題になったのによく昇進できたものだと、会社の寛容さに感謝しました。
その後、4月の人事が発表されました。
私は、てっきり営業部隊のマネージャーになるものだと思い込んでいましたが、
配属先はキャリアアドバイザーの郵送登録部門でした。
そう言えば、あの事件の後、H部長がおっしゃっていました。
H部長:「お前はキャリアアドバイザー部門に対して問題意識があるのか?」
このような経緯で、入社時の目標だったキャリアアドバイザーになることになりましたが、
その後は自分の思い通りにならない日々が続きました。
*これは、20年以上も前の話です。
現在のリクルートエージェントでは、全く異なる料金体系、組織・役割分担で運営されています。
合掌。